端正な生き方

人生をどのようにして生きるかは人それぞれである。しかし、どうせだったら「楽」に生きる方が良い。ではどうしたらよいのか。著者は「端正」かつ「凛とした」生き方をすると良いという。「端正」とは、

「きちんとしていること。行儀や姿が整っていて、乱れたところがなく、立派であること」「広辞苑 第六版」より)

とあるが、果たしてどのような生き方を求めたらよいのか、生き方や考え方、求めるもの、礼儀、幸福などあらゆる角度からひも解いているのが本書である。

1.「自制して生きると豊かになる」
「自制」は簡単に言うと自分自身で「節制」をすることである。その節制は食生活のイメージはあるが、ビジネスにしても、ファッションにしても手広くやらず、自分自身のできる中でやれということである。

2.「諦めはすべてにおいて有効な解決法」
チャレンジャー精神を持っている人であれば「なんだこれは」と言ってしまいそうなところであるが、「諦める」こともまた一つの手段である。物事をすべて諦めずに頑張っていてはストレスを溜めてしまうことにもなりかねない。そのために「諦める」ことは必要なことである。

3.「「成功の条件」は必要以上に求めないこと」
「成功」する条件は多かれ少なかれ存在するのだが、その条件を極端に多すぎてしまうと、モチベーションは上がるものの、満足いくような状況になるのはとてつもなく遠い、もっと言うと毎日が不満な人生を歩み続けることになるという。

4.「他者への礼儀と内なる折り目正しさ」
人生の中で人と会わない日はほとんど存在しない。その人と会う時に相手に対してどのような印象を与えるかによって礼儀になるか、無礼になるかで変わってくる。そこで本章では人柄を良くするための礼儀作法を取り上げている。

5.「固定観念を捨てる」
固定観念は新しい考え方や心構えを構築する際に邪魔になってしまう。その邪魔な固定観念をどのように取り除いたら良いのかについて取り上げている。

6.「謙虚さがもたらす人生の恩恵」
「謙虚」は日本人の中にある「美徳」の一つとして挙げられるのだが、その謙虚であることがなぜ人生にとって良いことなのかを紹介している。

7.「心身の賦活に役立つ最上の方法」
「賦活(ふかつ)」という言葉を聞きなれない方もいると思う。「賦活」とは、

「機能を活発にすること。活力を与えること」「広辞苑 第六版」より)

とある。

8.「人生を恐れすぎない」
人生のなかで生きていく限り「恐れ」から逃げられることはできない。もしかしたら人生全体が「恐れ」が襲い続けるというようなこともあり得る。しかしその恐れは真正面に立ち向かうよりも恐れることはしない方が良いという。

9.「だからこそ、人生は濃厚に満たされる」
人生は人によるのだがだいたい70~80年である。その人生を濃厚かつ充実したものにするため、どのようなことをしたら良いのか、本章ではその心構えを伝授している。

10.「定型なき幸福の形」
幸福は形も、量も、質も決まったものがない。その人にあった幸福を持ったことで、初めて「幸福だ」という感覚に浸ることができる。その幸福の「質」や「量」はどのようにしていくか、そのことについて取り上げている。

11.「精神の幼稚化を自問する」
「精神が幼稚」はどのような観点から幼稚なのか、それについて言及しているだけではなく、もしもあなたが「幼稚」ということを自覚していないとき、どのようにして目を覚ましたらよいのかについても取り上げている。

12.「人間関係の機微を楽しむ」
人間関係はめまぐるしく変化する。その変化に対応できるか、そして楽しむことができるかで、人生も心も大きく変わってくる。その変わる中に「機微」と言われるような状況もあるのだが、本章ではその「機微」を楽しむことを伝授している。

生きかたは人それぞれである。もちろん本書はあくまで楽に生きるための参考材料、あるいはその心構えの材料として見ておいた方が良い。本書はそういう一冊である。