「空き家」が蝕む日本

最近では「民泊」と呼ばれるものがあり、空き家が有効活用されている現状にある。しかし、現状は空き家が増えてきており「供給過多」と呼ばれるような事態が起こっている。その供給過多と呼ばれる「空き家」は実をいうと日本を蝕んでいるという。その蝕む要因とは何か、そのことについて取り上げている。

第1章「日本の不動産、現場からの疑問」
日本の不動産はどのような現状としてあるのか、不動産仲介部門の現場、不動産売買の仕組みなど様々な観点から取り上げている。

第2章「「空き家」が増え続けるのはなぜか?」
「空き家」が増えている要因として何が挙げられるのか、そこには高度経済成長などの住宅の乱立があるのだが、その乱立の背景として経済以外にどのようなものがあるのか、そして「空き家対策」は官民双方でどのようにして行われているのかを取り上げている。

第3章「日本の住宅はなぜ寿命が短いのか?」
日本の木造住宅は短いというが、建物によっては築50~200年といったふり幅はあるものの現存しているところも存在するという。しかし戦後から建てられたマンションの多くは寿命が短く、なおかつ耐震に備わっていないものもあるという。

第4章「賃貸住宅が貧弱なのはなぜか?」
その空き家対策として「賃貸をしたら良いのではないか」と思ってしまうし、本書でも指摘している。そもそも海外の空き家対策としてもこの賃貸が代表劇なものとして挙げられているのだが、なぜ日本ではそれが貧弱なのか、その原因として挙げられるのが「借地借家法」と呼ばれる法律にあった。

第5章「物件情報はこうして囲い込まれる」
そもそも空き家の「物件情報」はどこに存在するかというと、不動産仲介業の間で「囲い込み」が行われているという。なぜ不動産仲介業にて囲い込みを行っているのか、そして儲けの仕組みとは何なのかを追っている。

第6章「エネルギー問題と住宅政策」
この住宅とエネルギー問題はリンクしている部分が多い。その多い原因とはいったい何なのかを取り上げるとともに、本章では原発再稼働や再生可能エネルギー、さらには地方分権などマクロな観点からの政策提言についても言及している。

第7章「海外シフトする不動産投資」
不動産投資は日本ばかりではなく、海外でも行われている。現に日本人が海外の不動産で投資を行い稼いでいる人も少なくない。そのような状況の中で不動産投資がなぜ海外にシフトしていっているのか、そのことについて取り上げている。

街中を歩いていると、何軒か「空き家」と呼ばれるような物件を見かける。それを見ると誰かが住んだり、あるいは賃貸をしたりすれば良いのではと思うのだが、現状はなかなかうまくいっていない。そこで冒頭にも書いた「民泊」がある。その「民泊」がどこまで行われるかによってこの蝕んでいる「空き家問題」がどのように変わっていくのか注目したいところである。