産廃Gメンが見た 食品廃棄の裏側

先月の節分では売れ残った恵方巻が大量に廃棄されるニュースを見たことがある。最もそれに限らず、過剰に生産した野菜を廃棄するといったことは私が北海道にいたときにほぼ毎年のようにニュースにて見たことがある。

もっとも私自身もスーパーの食品売り場のアルバイトをしていた時に食べ物を大量に廃棄するといったことがあった。そういったことを体験したとき、子どもの頃父親から「食べ物を粗末にするな!」と怒られたことを思い出し心が痛むことが何度もあった。私事はここまでにしておいて、本書は食品廃棄の現場について明かしている。

第1章「懲りない食品偽装」
食品偽装といえばミートホープなどが挙げられるのだが、最近では昨年の1月に起こったダイコーの食品偽装が挙げられる。もっとも「食品偽装」は10年前も今もあり、今も昔も起こっていることを見ると「懲りない」と言える。

第2章「食品廃棄の裏側」
本書と本章のタイトルである「食品廃棄の裏側」の中核をなすのが第1章で取り上げられたダイコーの廃棄冷凍カツの転売事件である。もっとも食品ロスと言うよりも「偽装」といったことが適当と言える。

第3章「国の対策は十分なのか」
この偽装事件は単純な事件とはいいがたい。もっとも国や地方の対策も課題として挙げられたのだが、その中でも国の対策は省庁の対立がありなかなか進まなかった部分がある。

第4章「法律の死角」
法律には必ずと言ってもいいほど「抜け穴」が存在する。もっとも漫画にも「法律の抜け穴」シリーズが存在するほどである。その抜け穴と呼ばれる「死角」は今回の事件で盧生された所はどこかを取り上げている。

第5章「フードサイクルへの挑戦」
廃棄物をいかにして利用していくか、あるいは減らして、フードサイクルをつくり、最適化していくか、そのことを提言している。

「食品廃棄」は今も社会問題と存在するのだが、本書はそういったことを嘆いているよりもむしろ「食品偽装」はなぜ起こったのかに終始している。もっとも食品偽装も企業ぐるみの犯罪とも言えるものであるのだが、その背景がどのようにしてあったのか、「Gメン」でしか見ることのできない視点があると言える。