公立中高一貫校

中高一貫校というと「私立」の専売特許のイメージがあるのだが、実際には都道府県や市町村立と呼ばれる「公立」の中高一貫校も存在する。公立であるだけに学費が安く、なおかつ充実した教育を受けることができるようにもなってきた。他にも受験のみならず、社会人になってから役立つような実践的な教育まで行われるようにもなっている。そもそもなぜ公立の中高一貫校ができてきたのか、その学校ではどのような教育を行っているのか、そのことを取り上げている。

第1章「新しいブランドの誕生」
中高一貫校は公立であったとしても中学入試で入学できる学校も少なくない。もっとも中高一貫校における中学受験はどのようなものか、そして普通の中学・高校と中高一貫校、さらに公立・私立の中高一貫校の教育の差異はどこにあるのかを説明している。

第2章「公立中高一貫校が問う能力、資質――学習塾、教育産業はどう考えているか」
公立の中高一貫校では「公立」であるが故に「学習指導要領」の範囲を逸脱することはない。もっとも受験においても求められるものとしても「学習指導要領」の中にある力を求められ、学習塾でも熟知されている。

第3章「公立中高一貫校で問われる新しい能力因子」
公立中高一貫校ではどのような能力を育てることに問われているのか、判断推理や分析など様々なものがあるのだが、公立の中学・高校とは異なるような要素がある。学校の中では進学校的な要素もあれば商業や工業、さらには総合教育と呼ばれるものまである。

第4章「親子で乗りきった「公立中高一貫校」受検《体験談》」
本章と次章にて公立中高一貫校を受験した、あるいは学んだ生徒やその周囲の家族たちの体験談を取り上げている。本章ではそのうちの受験までのことの体験談が掲載されている。

第5章「子どもたちから見た公立中高一貫校の特色と生活《体験談》」
本章では入学してから、卒業するまでのプロセスの中で公立中高一貫校はどのような教育だったのかを取り上げている。

第6章「親の力で、 子どもを公立中高一貫校に合格させる」
冒頭でも述べたように公立中高一貫校は学費が安く、なおかつ中学・高校とは異なる教育を受けることができる。その学校に合格するためには親の力も必要であるという。では親の役割にはどのようなものがあるのか、その方法を伝授している。

公立の中高一貫校は独自の教育が行われる。また公立でしかできないこと、中高一貫校でしかできないことの良いところがギュッと詰まっている一方で全国的に見ても「珍しい」と言う言葉が似合うほどまだ数は少ない。それだけ競争が激しくなっていく中で、中高一貫校を入学する方法と教育の良さを知ることのできる一冊と言える。