ニュータウンの社会史

ニュータウンは文字通り「新しい街」を意味している。しかし日本で言う所のニュータウンはオフィスのある都心から電車にて数分~数十分言った所につくられ、住宅地などを中心につくられるようになった。その周囲には鉄道や道路ができ、一つの街がつくられ、栄えてきたのだが、その歴史を経て「老朽化」の波があるという。ニュータウンの現状と歴史、そしてこれからについてあぶり出したのが本書である。

第1章「病理と郊外―社会の「鏡」としてのニュータウン」
おそらく戦後日本における歴史の中でニュータウンは避けて通れないものである。特にニュータウンは首都圏の郊外を中心に発展した元々の起因として一極集中化したことにある。しかしながら首都圏に限らず都市部にも大小の差はあれど、ニュータウンができた。

第2章「開発と葛藤―多摩ニュータウンの成立と地域社会」
日本で最大のニュータウンは「多摩ニュータウン」であり、そのことにより「多摩都市モノレール線」もできた。東京の都心部に比べても比較的近く、住みやすいとしても有名であるのだが、時が経つにつれ住みにくく、ニュータウンとしての「葛藤」が生まれていった。

第3章「事件と抵抗―多摩ニュータウンという「実験都市」」
多摩ニュータウンは「実験都市」の要素があったのだという。新たな都市としての計画を実行するための実験、さらには新たな場所で住宅地帯ができるかと言う実験など、様々な意味で「実験」となり得た都市であった。

第4章「移動と定住―ニュータウンの住環境」
多摩ニュータウンは住みにくい環境になった理由としてあ「住宅双六」の如く、住宅が次々と建てられたのだが、長らく住まわれてきたことにより空き家もできる、あるいは高齢化の一途を辿ると言ったことがある。

第5章「断絶と継承―歴史をつなぐ語りの実践」
これまで、特に前章のことを考えると、多摩ニュータウンをはじめとしたニュータウンは戦後日本における社会の縮図なのかも知れない。その歴史をもとに、ニュータウンをどの小用に発展していくのか、その実践について取り上げている。

ニュータウンを見ていくと、今の日本を知ることができる。それは高度経済成長の産物であり、そして高齢化が見えているからである。さらに住宅地そのものにも「老朽化」ができ、ニュータウン自体がまさに「岐路」に立たされていることを思い知らされる一冊である。

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