インターネット・バイ・デザイン―21世紀のスマートな社会・産業インフラの創造へ

今となっては当たり前に存在する「インターネット」だが、それが一般的になったのはつい20年ほど前のことである。そこからインターネットの技術・世界は目まぐるしい進化を遂げ、今となってはインフラの一つ、あるいは生活資源としても扱われるようになった。そのインターネットのデザインはこれからどのように変化を遂げていくのか、本書はそのことについて分析をしている。

第1章「インターネット・アーキテクチャを考える」
「アーキテクチャ」は簡単に言うと「構造」といい。コンピューターを含めたシステムや建物を構築する人、あるいはその行為を指している。その構造をつくるうえで何が必要なのか、構造を作ったことによって東日本大震災においてどのように機能したのかを取り上げている。

第2章「デジタル技術の本質を理解する」
デジタル技術はパソコンのみならずスマートフォン・タブレットなど多岐にわたる。その多岐にわたる技術の中でデジタルの本質とはどこにあるのか、本章ではそのことを取り上げている。

第3章「インターネット時代の社会・経済を理解する」
インターネットの普及に伴い、社会や経済は大きな変化を遂げてきた。その変化とは何か、そしてインターネットとしての「技術」からいかにして「インフラ」へと昇華していったか、そのことを取り上げている。

第4章「セキュリティとプライバシーを捉え直す」
情報の中では「セキュリティ」と「プライバシー」と区別することがあるのだが、その区別が中にはつきにくいものもある。もっと言うとその二つの要素を混同してしまうようなケースも少なくない。そのプライバシーとセキュリティの違いとは何か、そのことについて取り上げている。

第5章「インターネットに基づくインフラを設計する」
今となっては一種のインフラとなっているインターネットはこれからどのような進化を遂げていくのか、その進化の過程に建物・学府・エネルギーといった物理的な「インフラ」にかかわっていくことも考えられるという、その未来について描いているのが本章である。

インターネットにおけるデザインはこれからも進化を遂げる。その進化を遂げる中でどのようなものをインターネットは描いていけば良いのか。本書はその指針を示している。