儒教とは何か

「儒教」は韓国や中国など、東アジアを中心に伝えられている「思想」である。実際に宗教なのかというと本書にて紹介するが、信仰の対象と言うよりも倫理的な基準として表されていることから、必ずしもそうとは言えない部分が多くある。もちろん日本でも「儒教」の教えが浸透している部分があるのだが、果たして儒教はどのように成り立ち、そして東アジアの人々に根付いているのか、その部分について取り上げている。

なお、本書は1990年に出版されたものを第六章を追加して2015年に増補したものである。

第一章「儒教の宗教性」
第三章にて述べるのだが、元々「儒教」は「論語」で有名な孔子によって成立したものである。その成立した儒教の中には人としての教えであり、さらには聖典の如く扱われているのは「四書五経」と呼ばれるものである。特に中国大陸の中では官吏の試験には「四書五経の暗唱」があったほどである。教えや倫理、さらには哲学と言った要素があるのだが、著者は、

「儒教は死と結びついた宗教である」(p.24より)

としている。

第二章「儒教文化圏」
儒教の文化圏は東アジアを中心に広く使われているのだが、著者曰く日本において評判は良くないとしている。もちろん儒教の思想は封建的で家族的であるものの、部分的には層であるかも知れない。しかし儒教の中でも最近ではビジネス書などで使われる思想もあり、評判は半々と言ったところがあるのかも知れない。それは中国や韓国では日本以上に評価されているのだが、賛否の部分はあるのかも知れない。

第三章「儒教の成立」
儒教が成立したのは中国大陸にある春秋時代である。その時代にいた人物として孔子がいた。君子における政治のこと、人としての考え方について「論語」が唱えられたのみならず、儒教を体系化づけたとしても有名である。そしてその体系化の中に「四書五経」が挙げられる。

第四章「経学の時代(上)」
経学の中にて国家や共同体、さらには礼教など様々な面において儒教として経学の時代を形成づけることができた。その変遷を取り上げている。

第五章「経学の時代(下)」
公判ではむしろ「宗教」としての側面と「政治」としての側面である。第一章において官吏の試験の中で「四書五経」が求められることがあったのだが、政治や国家形成の中に「儒教」は中国大陸においてなくてはならないものだった。

第六章「儒教倫理」
儒教は倫理や哲学における規範としてあげられているのだが、現代において儒教はどのように成り立っているのか、そしてこれからどのような形で浸透していくのか、そのことを取り上げている。

儒教は東アジアを中心に浸透している考え方であるのだが、そもそも宗教なのかどうかも議論の的となっており、今もなお結論が出ていない。著者は儒教は宗教であるとしているのだが、その理由は冒頭に述べられ、それ以外の考え方は浸透している理由がある。儒教は日本にとっても縁深いもの、そのことを知ることができる一冊である。

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