世界文化遺産の思想

ユネスコにて登録されている「世界遺産」は「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の3つに分類される。その中でも「文化遺産」は歴史的なことについて取り上げる「有形」の遺産を表している(他にも「無形文化遺産」があるのだが、本書はあくまで世界遺産なので有形のものを取り上げる)。そもそも世界文化遺産はいつからでき、どのような定義を持っているのか、そのことを取り上げている。

Ⅰ.「世界遺産条約の成立と「世界遺産」の生成」
元々「世界遺産」ができたのは1972年の世界遺産条約が採択されてからのことであるのだが、それ以前にも第一次・第二次世界大戦前にあたる1907年ハーグ条約、そして改正された1954年ハーグ条約を起点として、文化保護を進めていった。その中で基準の構築することで難航したのだが、1972年に完成することとなった。

Ⅱ.「世界遺産条約の考え方」
採択された「世界遺産条約(正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)」は土のような考え方を持つのか、そこには真実や完全性の基準が設けられており、それを元に「ICOMOS」が調査を行い、登録されるようになるという。

Ⅲ.「世界文化遺産の新しい可能性」
「世界文化遺産」には様々な定義があるのだが、もっとも強いものとして「歴史」の足跡を明かすための有形的な建物もあれば、文化や宗教を象徴づけるための場所など、「有形」のものが登録される。もちろんそれが正負関わらず、である。

Ⅳ.「世界遺産条約から広がる世界」
世界遺産は保存・保護をしなければならない。そもそもその遺産に対してどう保護をするのか、そしてまちづくりから観光に至るまでのことを取り上げている。

そもそも世界遺産、その中でも世界文化遺産とは何なのか、ということを考えされられる一冊であった。もちろん世界遺産は日本にも点在しているのだが、多くは観光名所と化している様相を見せているのだが、そこにも理由があったと本書を読んでいてそう思った。

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