JKハルは異世界で娼婦になった

当ブログでは書評を中心としており、どのようなジャンルでも書評を行う事を標榜しているのだが、本書に出会ったときは思わず「は?」となってしまう思いだった。ただ、本書の帯には、

「タイトルで「え?」と思った方にこそ読んでほしい小説です。」

と書かれており、手に取ることとした。もっとも本書は2017年に出版されているのだが、その後に文庫やコミックにまでなるほどの人気作品になっていることにも驚いた。ライトノベルの世界でも「異世界~」と銘打ったものがたくさんあり、中にはマンガ・アニメにまでなっているものまである。

本書の話に戻る。どこにでもいる女子高生が交通事故に遭って異世界に転生した。ここまではよくある異世界作品の典型であるが、その先は冒険者ではなく、むしろただの人だった。泣く泣く仕事を見つけた所が酒場であり娼館であるところであり、そこで娼婦となったという物語である。

主人公は「ハル」であり、娼婦になり「春」を売るといううまいことは抜きにして、異世界作品の中では少しクセのある作品のように思えており、内容によっては官能小説に引けを取らない位の表現をする所もある。とは言えど、異世界の中でも男尊女卑社会である中でどう生き抜くか、と言う意味合いではおそらく女性向けの異世界小説と言った方が良いかもしれない。

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