広く弱くつながって生きる

つながりを持って生きることは必要であるのだが、「つながり」は広さ・強さの度合いによって異なる。中には狭い中で強いつながりをもって生きる人もいるのだが、私や本書のように「広く弱く」といったつながりを持つと言った人もいる。もっともつながりを持つことは大事なのだが、「広く弱い」つながりを持つことが今の時代重要であると著者の体験からも証明しているという。

第1章「大切なものは「弱いつながり」」
元々著者はジャーナリストになる前は毎日新聞で記者を努めていた。その記者時代はまさに「強いつながり」が必要であったのだが、その「強いつながり」は「同調圧力」を生み、「発言はおろか何もできない」というようなことにまでなったという。その反発から弱いつながりを持つことによってしがらみや同調がなく、むしろ距離を置きながら自分自身の行動を移すことができるといった点がある。

第2章「「弱いつながり」を育てるノウハウ」
弱いつながりを持つことによってある程度の距離でもって、なおかつ情報を得たり、ノウハウを育ったり、さらにはヒエラルキーや同調を受けなかったりと言った要素が生まれる。そこから「広さ」を求めることによって、その度合いを強くすることもできるとうい。

第3章「「弱いつながり」を仕事に落とし込む」
弱いつながりを持つことによって仕事における知識やノウハウを得ることができ、なおかつそれを落とし込むことによって、さらなる作用を生み出し、成果を生み出すことができる。

第4章「多拠点生活で再認識した、人との出会いの大切さ」
著者は東京・軽井沢・福井の3カ所に拠点がある、いわゆる「デュアルライフ」を行っている。そのきっかけは7年前に起こった「東日本大震災」であり、防災の他面部分があるのだが、弱いつながりを育むためのメリットにもなったのだという。それは地域それぞれの「出会い」があるのだという。

第5章「ゴールなき人生を楽しむ」
人生にゴールはない。仕事においても、ライフスタイルにおいても、様々な変化があり、その度に解も変化する。その変化を楽しみ、人生を楽しむことが、これからの人生で大切になってくるのだという。

つながりがなくなり始めている時代だからでこそ、「つながりは大切」といいたいところであるのだが、必要以上に強いつながりがあっても精神的な負担を被ることになるので元も子もない。そのため弱いつながりを持つことによって自分自身の考え方の変化や成長を促す大きな要素があることを本書でもって教えてくれる。