ユーラシア動物紀行

大陸の中で最も広大な面積を誇るユーラシア大陸には様々な動物が生息している。もちろん日本列島もまたユーラシア大陸から派生して生まれたこともあり、縁は深く、日本に生息している動物の多くも、このユーラシア大陸にて生まれた。

本書はユーラシア大陸を渡りながら、様々な国の歴史、そしてそこに生息している動物の変遷について取り上げている。

第1章「動物地理学研究ことはじめ」
そもそも本書では「動物地理学」の研究としてユーラシア大陸の動物の変遷を研究している。見慣れない学問であるのだが、動物自体は種類によってはある大陸、もしくは地域でしか生息できないこともあり、多様性やルーツを辿っていく上で、地理もまた必要な学問である。その中でも地理の原理から生息に関する境界線があるのではと考え、本書のようにユーラシア大陸において、動物の歴史・地理を探っていった。

第2章「北欧フィンランドの動物と歴史」
北欧の一つであるフィンランドではどのような動物が生息しているのか、あるいは歴史の中でどのような動物が生息していたのか、そのことを取り上げている野だが、中でもフィンランドの動物博物館の標本や動物園を元にして生態系を研究している。

第3章「水の都サンクトペテルブルクと動物学博物館」
第2章で取り上げたフィンランドとほど近い国の中に世界で最も面積の広い国であるロシアがある。そのロシアにおいては水の都と言われている「サンクトペテルブルク」を取材してきている。その取材場所の中には「動物学博物館」を取り上げているのだが、どのような動物を見てきたのかも記している。

第4章「ヴォルガ川の流れと動物の境界線」
前章で取り上げたロシアとカザフスタンを流域にあるヴォルガ川は、ロシアにおいて「母なる川」として扱われている。その川のほとりには動物の聖域といわれている「ジグリ自然保護区」があり、本章でもその保護区に生息している動物を取り上げている。

第5章「東西を分けるウラル山脈とヒグマ」
境界線というとユーラシア大陸にはヨーロッパとアジアの境界線がある。その境界線を担っているのが「ウラル山脈」である。そのウラル山脈の中で特に研究している動物として日本では北海道を中心に生息している「ヒグマ」がある。

第6章「シベリアとマンモス」
ロシアの東部に位置する地域であり、俗に「極東」と言われる地域が「シベリア」と呼ばれている。主に亜寒帯や寒帯といった平坦な土地である中で寒さが際立つ地域でもある。その中で古代の動物の象徴として挙げられるマンモスも本章にて取り上げている。

第7章「バイカル湖とザバイカルの動物」
世界最深の湖であるバイカル湖もまたシベリアの地域に存在する。そのバイカル湖の周辺にザバイカルと呼ばれる地域があり、そこにも個性的な動物があり、博物館も存在している。

第8章「極東とシマフクロウ」
いわゆる「極東」と呼ばれる地域は日本海をはさんでおり、日本からも距離はほど近い。その中にて生息している、あるいはしていた動物たちはどうであったのかを取り上げている。

ユーラシア大陸は広大であるのだが、本書はその多くをロシアであった。もっともロシアはユーラシア大陸のなかの大部分を占めており、ユーラシア大陸の動物や地理を語る上でも避けて通れない国と言っても過言ではない。本書はそれを物語っている一冊であった。

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