架空の犬と嘘をつく猫

本書に出てくる名字が「羽猫」とある通り、特徴的なものであるのだが、もっとも特徴的なのがその家族である。「嘘吐きの家系」と言われており、家族も「嘘」という言葉がつきまとうものである。また「架空」と呼ばれる一種の「嘘」とも関連があり、それを好いている人、嫌っている人が家族としてなり立っているという。

本書はそんな家族の物語であるのだが、「嘘」という言葉の本質、そしてそれは本当に悪いことなのかどうかも含めて考えさせられる。もっとも「嘘」はいつかバレるものであり、なおかつそれによって崩壊するといったケースも見聞きすることがある。

嘘で塗り固められた家族の元で育ち、そしてその子がやがて大人になり、嘘であることがわかり始めた時、自分の家族はどう見えるのか、それを30年という長い時間の中で時系列にした物語であり、家族とは何かも併せて考えさせられた。

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