大宏池会の逆襲 保守本流の名門派閥

自民党もそうであるのだが、政治政党の中には「派閥」なるものが存在する。中でも自民党は様々な派閥があり、本書で取り上げる宏池会(こうちかい)は自民党の派閥の中でも最も古く、池田勇人によって設立された。歴史的に「池田派」や「大平派」、「古賀派」を経て、現在では「岸田派」とも呼ばれている派閥である。

その「宏池会」はどのような歴史を辿ってきて、そしてこれからどうなっていくのか、そのことを取り上げている。

第一章「宏池会会長・岸田文雄の矜持」
現在の宏池会会長は岸田文雄であり、政調会長を務めている。かつては防衛大臣や外務大臣も歴任している主要人物である。安倍晋三の側近の一人である一方で「ポスト安倍晋三」の最右翼の一人としても挙げられている。その岸田の足跡を本章にて取り上げている。

第二章「保守本流・宏池会の系譜」
そもそも「宏池会」はどんな派閥なのか、そのことを取り上げる必要がある。そもそも宏池会は池田勇人と佐藤栄作との対立によりできたものとして有名である。そこから「保守本流」としての道を歩むのだが、どちらかというと「ハト派」と呼ばれるものにほど近く、自民党の中でも「保守」というより、ややリベラル寄りの意見になってきている。

第三章「「加藤の乱」で宏池会分裂、最大の危機」
宏池会として有名なものとして「分裂」がある。中でも最も有名なものが本章で取り上げる「加藤の乱」に起こった「古賀派」「加藤(後に谷垣)派」の分裂がある。2000年に分裂し、2007年末に「中宏池会」となって合流となった。その時は宏池会の最大の危機としてあげられたのだが、そもそもなぜそれが起こったのか、そして分裂の中はどのような様相だったのか、そのことを取り上げている。

第四章「大宏池会構想の行方と新総裁」
「大宏池会構想」は2008年に「宏池会(古賀派)」と「宏池会(谷垣派)」、そして「為公会(麻生派・現在は「志公会」という名である)」との再合流構想があったのだが、結局の所、前章にて取り上げた通り谷垣派・古賀派の合流こそ叶ったものの麻生派との合流は果たされていない。その行方と同じく、ポスト安倍晋三となる次の総裁についての展望を予想しているのが本章である。

宏池会は今も昔も自民党の中でも中核を成す派閥として知られている。しかしながらそれは自民党の歴史の中の思惑にさらされてきた歴史とも言える。本書はその歴史そのものを見せている。

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