人を自在に動かす 武器としての「韓非子」

著者の鈴木様より献本御礼。
中国の古典はいくつもあるのだが、「韓非子(かんぴし)」もまた有名な古典の一つである。その古典では論語などにはなかったリーダー学や帝王学が存在する。その一つとして「人を動かす」為のリーダーのあり方が記されているほどである。本書は人を動かすためのリーダーとしての術について韓非子をもとにして取り上げている。

第1章「人が動くには法則がある」
人を動かすためにはまず人がどのようにして動くのかを知る必要がある。そのため、組織の中でどのようにして人は動くのか、人はなにがきっかけで動きたくなるのか、そのことについて取り上げている。

第2章「爆発的なエネルギーを生み出す韓非流「活人術」」
組織の中で人を動かすことは一つの手段であるのだが、ただ「動かす」ではなく、「活かす」ことも大切である。韓非子には「活かす」ための「活人術」を取り上げている。

第3章「人を自在に動かすリーダーになる方法」
人を動かすと言うが、部下を「駒」として扱うのではなく、人として扱いつつ、力を引き出しながら、自分を捨てつつ、厳しさや冷酷さを持ち合わせると言った「二面性」を持つことを提示している。

第4章「転落するリーダーの5つの特徴」
リーダーとしての役割を果たすできる人もいれば、それができず、自分はおろか、組織全体で転落の一途をたどってしまうケースもある本書はその中でも転落をしてしまうリーダーの傾向を取り上げている。

第5章「部下のやる気を潰す上司、やる気を3倍に高める上司の違い」
組織として活性化するためにリーダーのやるべきことの一つとして第2章にて取り上げた人を活かすことである。しかし、リーダーの中には部下のやる気などを潰してしまうようなこともある一方で、やる気を高めさせることもある。その違いについて本章は取り上げているのだが、その軸として「評価」がある。

第6章「集団にパワーを生み出すイノベーションの正体」
集団としてのパワーを引き出すためにも方法があるのだが、自分自身の変化もさることながら、メンバー全体で変革を引き起こすなどがある。それぞれの変化・変革によって組織全体のパワーの増強にもつながるのだという。

第7章「『韓非子』が指摘した、繁栄が続く6つの真理」
組織は続くものである一方で、終焉を迎えてしまうこともある。終焉を避けて、繁栄を続けさせることもまた一つの手段であるのだが、その手段を行うためにも「真理」を知っておく必要がある。

韓非子はビジネスでも通用するのだが、特にリーダーとして部下をどのように動かすか、そして変革をいかにして起こすのかということを知り、実行するための倍ウルである。組織のトップはもちろんのこと、多かれ少なかれ組織の上にいる方々であれば人の動かし方に多少たりとも悩むことがある。その悩みに対するアンサーが本書に詰まっている。