仕事論

昨年のクリスマスに水曜どうでしょうの新作が5年ぶりに放送された。内容よりも新作が放送されたことに感慨を覚えてならない。リアルタイムでは2005年に放送された「激闘!西表島」と2007年に放送された「ヨーロッパ20ヵ国完全制覇 完結編」をよく覚えている。それ以外は過去に放送されたリバイバルか、あるいはDVDを観ることがある。もちろんどうでしょうは好きである。

私事はさておき、本書の話に入る。水曜どうでしょうの2人のD陣が仕事とは何かについて対談を行っている一冊である。

第1章「「会社」とは何かを考える」
現在は2人ともHTB社員であるのだが、とくに著者の一人である嬉野氏はHTB(正確にはHTBの子会社)に入社するまではフリーの映像ディレクターを行っていた。そのためフリーランスの時と会社の社員の時との思い出も兼ねて取り上げている。

第2章「環境は必ず変えられる」
組織の依存から抜け出したり、会社の枠を越えたり、上手に利用したりといったことが出ているのだが、特に藤村氏が顕著と言えるのかもしれない。理由としてはテレビディレクターやHTB社員の枠を越えて、他局の番組に出演する、2014年からは俳優として活躍するなどをしているためである。

第3章「“面白い”の条件」
どうでしょうは面白いのだが、その「面白い」にも条件があり、笑い出るというわけでなく、引き込まれるほどの雰囲気を持っている、あるいは魅力があるというもの、そして何よりも自分たちで「面白い」と思っているかどうかである。特にどうでしょうの良し悪しもD陣が笑い袋になっているかどうかによって左右されているのかもしれない。

第4章「仕事をするのは「自分」」
どうでしょうは全国的な人気を呼んでいるのだが、実際にマーケティングを行っているのだが、「マーケティングありき」で行っているわけでない。面白いものをつくって、それが口コミで広がっていき、それがマーケティングとなっていったと言った方が良いのかもしれない。また全国的な人気を呼んだきっかけの一つであるDVD制作のことについて取り上げているのだが、編集自体は全てD陣自身で行っているが、その理由についても述べている。

第5章「すべては“コミュニケーション”」
決して誰かさんが言った「騙し騙され罵り合い」をしろと言うわけではない。実際の同で章のやりとりの多くはコミュニケーションでの面白さがある(その影響で数多くの「名言」も生まれている)。それだけでなく、製作までの経緯のなかでどのようにやりとりを行うのだが、その中にも「視聴者」を意識することがある。ではどのようにして「意識」していくのかそのことについて取り上げている。

第6章「人生に重なる仕事」
D陣2人もそうだが、ミスター、大泉洋もまたどうでしょうから人生的にも大きな変化があった。その変化のなかには「どうでしょう」がどうしてもあり、なおかつ役割も変わってくる中で「どうでしょう」という存在があるのだが、そのどうでしょうもまたD陣を含めた4人の人生に重なっている。

水曜どうでしょうの放送がスタートしたのは1996年、今から24年前のことであり、その間に言うまでもなく「変化」があった。しかしながら昨年末から新作が放送されており、仕事もまた「一生どうでしょうします!」と言っているようでいてならなかった。

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