「超常現象」を本気で科学する

ここ最近では放映されていないようだが、かつてはスペシャル番組にて「超常現象」なるような番組が乱立していた時期が合った。その専門家を集めて超常現象を議論をするようなこともあった。時には超常現象について強く反駁する論者も多くいたのだが、本書はそのような超常現象について科学的な見地で反論とは違う「検証」を行っている。

第一章「幽霊が見えた?」
よくある心霊写真やホラー番組について幽霊が出てくるような描写がある。そもそも幽霊についてどのようなメカニズムかというと、視点で言う所の「錯覚」と呼ばれる所にある。

第二章「迷信とお守りの誤解と詐術」
よくある迷信やお守りについてもどのような誤解があり、いずれも「心理」によるケースが多くある。そもそも心理学は科学的な見地では難しい。しかし著者はあくまで「心理科学」という考えで分析を行っている。

第三章「夢と幽体離脱」
「夢」と言うとフロイトの精神分析学が挙げられる。その精神分析にあたり、夢の傾向が用いられることはよく知られている。本章ではそれとは違い、意識と身体的な側面から「幽体離脱」も含めて切り込んでいる。

第四章「超能力と夢の中の世界」
超能力もまた錯覚の一種と言えるのかもしれない。ただ「錯覚」と言っても「体験」における錯覚のことがあり、その錯覚はどのようにして起こるのか、そのことについて取り上げている。

第五章「それは誰のしわざか」
マジックやイリュージョンにと不思議に思えるようなことが目の前に起こると言った催しがある。もっともこれらには「トリック」が隠されており、バレないように、すごく見せているものもあれば、わざわざトリックを明かそうとしていながら笑い飛ばして見られるものもある。あたかもすごいことのように表される心理とは何かを取り上げている。

第六章「未来がわかるとはどういうことか」
心を読むと言った事もあるのだが、その正体は一種のコールド・リーディングとも言われている。「コールド・リーディング」とは、

「外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術」Wikipediaより)

とある。一種の術であるとするならば、未来予知や透視はどうなるのか、そこには意識にまつわる所にヒントがあるという。

第七章「「無意識」の大きな可能性」
「無意識」には私たちでは知らない能力や可能性が秘められているのだという。その能力などはどのようなものがあるのだろうか、本章ではそのことについて取り上げている。

第八章「幽霊体験の社会化」
幽霊体験というと、恐怖を覚えてしまう。もっともそれが核心であり、心霊体験自体が心的にどのような影響を及ぼすのかを取り上げているのが本章である。

著者が行っているものとして「超心理学」なるものであり、心理学でありながら超常現象を科学的な見地で考察を行うが、そこには心理学が入ってくるというものである。決して心理学の進化版ではない。そう考えると科学はどこに入ってくるのかという疑問を本書を読んで浮かんでしまう。

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