老侍

兵士というと、若い人をイメージするのかもしれないのだが、老人が兵士や戦士として戦場に赴くと言うシーンもある。実際に老兵の中にも大きな活躍をする人物もいるほどである。

本書は短編集であるが、いずれも老兵たちの活躍を描いている。その老兵は6人。方や一向一揆を迎え撃つため、息子らの敵を討つため、軍師として重要な戦いを指揮するため、息子の謀反に対抗するためと様々である。

老境となると、身体的な能力は落ちてしまうのが常であるのだが、戦った場数が若い人よりも遥かに多く、なおかつ経験をしている。だからでこそ、戦いに対しては不屈の精神で粘る、あるいは老獪な戦い方で翻弄するといった描写も数多くあり、戦いの中でのやりとりで、武士としての矜持、老境であっても、一介の戦士として戦う勇姿がそこにあった。

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