日本のワイン法

ワインというと、国内外で最も愛されているお酒の一つであり、歴史的にも最も古い。諸説はあるものの、旧石器時代には醸造が始まったとされており、ヴィンテージワインの中には数十年、さらには百年といった歴史まで遡るようなワインも存在しており、中には数十万~数百万といったワインまであるほどである。

ワインができる所は有名どころでフランス・イタリアなどが挙げられるが、日本でも産地として知られている。

ワインに限らずお酒となると「法律」といったモノが存在するように見えるのだが、本書に出会うまで知らなかったのだが、実際に法律にて明確化されたのは2015年の時であり、それまでは業界の自主基準で行われたのだという。本書はワイン法ができるまでと、法律とは一体どのような仕組みなのかを取り上げつつ、ワインそのものがグローバル化している中でどのような存在なのかを取り上げているのが本書である。

第1章「酒類関連法とワイン業界の自主基準」

元々お酒には、主にお酒に関しての税、と酒類販売に関する免許をを取り決めた「酒税法」「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」といったものが存在しているのだが、あくまで免許や酒税といった所までであり、なおかつワインとしての地名やルールといったものは法律的に明確なものはなく、あくまで業界そのものの「自主基準」にて執り行われてきた。それによる功罪として、

実際には輸入原料しか使っていないワインが堂々と「国産ワイン」ついて売られることもありましたp.35より

といったことが横行するようになった。この「自主基準」についても業界のみならず、市区町村などの自治体においての「認証制度」があり、山梨県の甲州市や長野県で行われた事例も本章にて紹介している。

第2章「日本の「ワイン法」の誕生~2015年国税庁告示~」

もっとも「酒税法」はあれど、産地を求めると行った「酒造」に関する法律すら存在しなかったほどである。特にワインは独自の基準が罷り通っていたことにより、国会でも議論の的となった。ようやく法律的に明文化されたのが2015年の時であり、国税庁が「果実酒等の製法品質表示基準を定める件」「酒類の地理的表示に関する表示基準を定める件」が提示された。これが実質的な「ワイン法」となった。

第3章「厳格化された日本ワインの地名表示」

これまで書き方が悪いが「いいかげん」だった地名表示自体が厳格化され、原料の産地、および製造の産地が日本製であることで初めて「国産ワイン」として明確化されるようになった。またワインはブドウが原料であるため、原料である果実の産地もどこでつくられたのか、ブドウはどのような品種を使っているのか、細かく求められるといったものがある。

第4章「地理的表示~ただの地名表示と何が違うのか?~」

ワイン法では「地理的表示」が求められるのだが、単純な「地名」と異なると言う。その理由としてはブドウをはじめとした産地としての「品質」も求められるようになる。その「品質」自体は産地そのもののブランドにも大きく寄与するためである。それだけでなく、WTO(世界貿易機関)の定める「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」に則ったものでもある。

第5章「GIワインの生産基準~「山梨」と「北海道」~」

特に品質表示、及び生産基準での表示として定められている表示制度に前章で取り上げた地理的表示制度があり、通称「GI制度」とも言われている。この制度における生産基準について日本ワインの有名どころである、山梨と北海道をモデルに取り上げている。

第6章「ラベル表示のルール」

ラベルの表示についても厳格な基準が存在する。ワインの原料となるブドウはいつ収穫されたのかといった表記が求められ、なおかつワインの種類についても、原料も含めた基準が明確化されている。

第7章「グローバル化の中のワイン法」

なぜそこまで厳格化しているかというと、特に第4・5章でも記載したのだが、WTOの基準に則ったことにより、日本ワインを海外に輸出することも念頭に置いているためである。もっとも日本にもイタリアやフランスをはじめとした多くの国のワインが輸入されるが、逆に日本のワインが海外に輸出されるようにもなり、海外における基準にも則って行われるようになったことも背景としてある。

今も昔も私たちに親しまれているワインは、ようやく法律によって明確化され、厳しい基準ながらも多種多様なワインが続々と出てきている。その背景には明確な基準がなかったことと、日本のワインを海外に輸出し、知られるようになると言った狙いもあった事がよくわかる。

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