浄土双六

ここ最近では遊んでいないのだが、「双六(すごろく)」はけっこう面白いゲームである。運や駆け引きなどがあり、どうなっていくのかと言うのがとても面白い。テレビやスマホゲームの世界でも桃太郎電鉄をはじめ、多くの双六ゲームが世に出ており、親しまれている。

さて本書である。本書は室町時代後期に天皇のお膝元である京の都にとある双六をもとにして極楽を求めるという些か風変わりな作品である。章ごとに同じ舞台ではあるものの、別の人物が登場しているため、実質的な短編集と言ってもおかしくない。

しかも本章は将軍と、その周囲の人物が双六での悲喜こもごもが描かれており、なおかつその人間模様は立場によって変わるさまは時代背景もあれば、「双六に踊らされている」と言う感が強く残る一冊と言える。