コミュニケーション力を向上するためには手法は色々とあれど、磨き続けること以外に向上することはない。もちろん天性のものがあるのかもしれないのだが、あってもなくてもどうとなるものである。それはどのように「伝える」かを磨き続けることにある。その上で本書である。本書はコミュニケーション力を高める要素の一つとして「プレゼン」を取り上げている。
1.「プレゼンに臨む前に押さえること」
「プレゼン」を行う前に、何をプレゼンするのか、誰を相手にプレゼンをするのか、そしてどのようにしてプレゼンを行うかなどの「準備」が必要になる。その準備を怠っていると、何のためのプレゼンなのかわからなくなってしまう。それを避けるために、先述のことは必ず抑えて置く必要がある。
2.「プレゼンストーリーとパワポスライドづくりの基本技術」
あくまでプレゼンは相手に対して「伝える」ことが大事であるが。「どのようにして伝えるか?」も一つの要素となる。よく使うプレゼンソフトというと「パワポ」こと「PowerPoint」を連想するが、どのように使うかによって伝え方も変わってくる。
3.「プレゼンスピーチの基本技術」
プレゼンに限らずともスピーチは場数を踏みながら鍛えていくものである。もちろん基本をこなすことが大事であるが、どのような所が「基本」にあたるのか、本章ではそのことについて取り上げている。
4.「スピーチを鍛える日々の練習」
スピーチは場数を踏むだけでなく、練習も行う必要がある。ではどのようにして練習を行っていくか、呼吸にしても、ボキャブラリーにしても、説明の組み立て方にしてもやっておくべきことはたくさんある。とどのつまり練習によって磨かれる要素はたくさんあるため、ぶっつけ本番で行うよりもまず練習を行うと良い。
5.「相手を動かす双方向型プレゼンを目指して」
プレゼンと言っても一方的に話すだけがプレゼンではない。質問や指摘について真摯に答えていき、納得のいくものにして、相手を動かすといったことがゴールの一つになる。緊張感をコントロールすることもあれば、ストーリーの組み込み方などもまた相手を動かすための要素としてあげられる。
本書は「岩波ジュニア新書」であるため中高生向けの本であるのだが、そもそもプレゼンはビジネスマンに限らず、小中高生もシチュエーションは違えどプレゼンを行う機会がある。プレゼンとは何ぞやと思ってしまうかも知れないが、実際にやってみると、難しい。しかしその難しさを乗り越えて場数を踏むことによって、後の社会人になった時の大きな糧になることは間違いない。
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