東京日記6 さよなら、ながいくん。

著者自身が20年以上にもわたってエッセイとして日記を描き続けていることに驚きがある。エッセイと言うよりも、普段の日記でも多くの人は三日坊主になることが多く、1年2年続けて良い方ではあるものの、なかなか続けられないといった実情がある。それを20年続けるとなると、根気もさることながら、続けるための気づきへのアンテナを持つことが大切になる。

おそらくこの20年以上続いている日記がナレッジバンクとなり、多くの小説、エッセイを生み出している原動力となっているのかも知れない。本書はその根幹となる日記シリーズの第6作品目となる一冊である。本書は2016年~2019年と少し前のことを描いているため、少し時代が遡っており、そぐわない部分もあるのだが、それでもなお現在に通ずるような発見もある。

そう考えると20周年を迎える前後の続編はもう間もなく刊行されるかもしれないし、著者曰く、

出版は一昨年だったのですが、わたしも編集担当もぼんやりして、いつの間にか時が過ぎていました。p.175より

とあるが如く数年後になるのかも知れない。とはいえ最新の日記は「WEB平凡」にて毎月10日更新されているため、最新のものを見たい方はこちらを見ると良い。