「卒業までというと「カウントダウン」であるが、本書はそういった別れの雰囲気ではなく、誘拐事件に巻き込まれ緊迫した所から物語が始まる。タイムリミットは72時間。
本書はとある高校の卒業数日前の状況を取り上げている。数日前に突然恩師の先生が誘拐され、ネット動画にて殺害予告が届けられた。しかし届けられた動画は、先生が担任に持っていたクラスの内のわずか4人だった。
なぜ4人か、と言うのが異様に引っかかるのだが、謎を解いていく内に「4人」であることに意味を持っていた。その意味と、誘拐された教師との関係、そして犯人の姿、それが全て一つにつながったときに、「卒業」と言う言葉が大きくなったような気がした。
卒業式というと「サプライズ」が時折出てくるのだが、それにしては縁起が悪い部分があるのだが、しかしその縁起の悪さもある意味許せるような気がしてならなかった。
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