こころと身体の心理学

心と身体はバラバラのように見えて、実は一体となっていることが多い。なぜ「多い」と表現したのかというと、身体と心がバラバラになる人、あるいは身体とアイデンティティがバラバラになる人もまれにいるためである。

心理学というと見えないようでいて、実は身体にも関係してくるものもあるため、本書は心と身体の両方とで取り上げている。

第1章「人それぞれの身体感覚」

「心理学」というと色々な学問があり、特に「認知心理学」と言ったものがある。これは人の言動や行動、あるいは表情から心理的にどう捉えるかを議論した学問であるため、心と身体の関連性を考察する際にうってつけの学問である。

ただし本書は認知心理学を紐解いているものではなく、あくまで心を身体の関係性についてだけであるため、学術的に解説しているわけではなく、身体の神経や動物などの実験をもとにして身体感覚について解き明かしている。

第2章「魅力的なカラダとは?」

「魅力的」というと、男性的・女性的といった性的な印象はもちろんのこと、筋骨隆々や細マッチョ、さらにはグラマラスといったセクシャルアピールといった要素が強くある。本章で言うところの「魅力的」とは何か。先述の体型といったものもあれば、ファッション、さらには動物における「模様」といった所にもフォーカスを当てている。

第3章「共感覚、絶対音感、そして「痛み」を感じる身体」

身体には「五感」がある。他にも様々な感覚があり、音楽を行っている方々であれば「絶対音感」は聞いたことがあるだろう。また感覚の中ではネガティブな「痛覚」といったものもある。その感覚を感じるところは身体のあちこちに存在する。

第4章「拡張する身体と、身体感覚のコントロール」

身体は内臓や皮膚、筋肉、骨ばかりではなく、様々な感覚や脳といったものがある。その「感覚」こそが身体の機能を拡張し、なおかつコントロールする働きを持っている。

そもそも岩波ジュニア新書はどちらかというと中学~高校向けの新書で他の新書よりもわかりやすく作られているのだが、本書は哲学や心理学と行ったとっつきにくい学問を取り上げたこともあり、比較的難しい。とはいえ感覚は人間の身体として重要な要素であり、少し発展すると途端にとっつきにくい部分があるため、ある種入門書としては本書の方が良いかも知れない。

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