介助の仕事 ――街で暮らす/を支える

「介助」や「介護」と言う言葉がここ最近でもよく聞き、なおかつ相容れられているように見えるのだが、現実としてはけっこう厳しい状況にある。その要因としては介助を行う方々の需要は多いにもかかわらず、人手不足が挙げられる。また介助を行う方々にも直面する「困難」に立ち向かわなければならず、その部分で困難を極めることも少なくない。

本書はその介助を行う方々の現実と制度、さらには組織について取り上げるとともに、介助を通して街を支える・共生する重要性を説いている。

第1章「ヘルパーをする」

あなたは「ヘルパー」の仕事を行ったことがあるか。仕事で行っている方もいれば、家族の一人として行っている方もいることだろう。中にはそのような状況がなく、行っていない人もいるかもしれない。しかしいざヘルパーの仕事とは具体的にどのようなものかピンとこない方々のためにヘルパーの仕事とお金について取り上げているのが本章である。

第2章「いろんな人がヘルパーをする」

ヘルパーの仕事を行う年代・性別は本当の意味で「様々」である。かつて「老老介護」と言う言葉があるように高齢の方でも高齢の方のヘルパーを行うと言うことも少なくない。

第3章「制度を使う」

そもそも介護や介助を行う中でも「制度」がある。その一つとして「介護保険制度」があるのだが、どのような制度や申請を行うことができるのかなどを解説している。

第4章「組織を使う作る」

介助を行うにも個人で行うケースもあれば、組織をつくって行うケースもある。その中で本章では介助を行う「組織」にフォーカスを当てている。

第5章「少し遡り確かめる」

本章では介助制度や仕組み、さらには必要性と言った所がどの歴史から発生し、つくられてきたのか、様々な本を通して取り上げている。主に歴史的な起点としては1970年代説いたところである。

第6章「少しだが大きく変える」

もちろん介助の所でも変化を起こす必要がある。しかしながら大きな変化は一人の力ではなかなかうまく行かない所が多い。そのため、どのようにして「少しずつ」変えていくか、と言うことを著者自身の観点から伝授している。

第7章「無駄に引かず無益に悩まないことができる」

介助の仕事はどうしても「人」を介して行うことから、どうしても「悩み」は出てくるものである。その悩みを解消する、あるいはどのように悩まない環境作りを行っていくべきかを提示している。

第8章「へんな穴に落ちない」

介助に限らず、「自己決定」を行う人も少なくない。その自己決定を主体とする思想を「自己決定主義」であるのだが、そこには「落とし穴」があるという。そのため本章では「へんな穴」と形容している。

第9章「こんな時だから言う、また言う」

実は本書は、介助のことを知るだけでない。介助を通して、「差別」の撤廃や命の大切さを訴える部分も強い。障害者に対しての事件も様々起こっている状況にあり、それに対しての怒り、訴えを取り上げている。

人は誰しも様々なハンディを持つ、あるいは老いにより制限が生じるようになる。その支えを行うのは周りの人々であり、なおかつ仕組みづくりにある。その重要性を本書にて知ることができる。

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