今は苦しくても、きっとうまくいく

著者の横山様より献本御礼。
人生の中で「苦しい」と感じるときは何度かある。私自身も今まさにそのときかもしれないのだが、「苦しい」時が学生でも社会人でも、今やっている仕事でも何度もあった。そのたびに「明けない夜はない」「止まない雨はない」と自分で鼓舞しながら、乗り越えてきた。
本書はそんな「苦しい自分」に対して、語りかけてくれるような言葉がぎっしりと詰まっている。

第1章「人生が大きく変わる考え方」
人生の見方は言葉一つ、考え方一つで変わってくる。たとえば「つらいこと」「苦しいこと」になるような境遇に出会ったときは、「どうしよう」というような感情になり、やがて「このままだとダメかも」と、だんだんネガティブになってしまう。
しかし、自分自身をポジティブに「これは人生を変える大きなチャンスだ!」というように前向きにチャレンジをすることによって、人は成長することができる。
時には煮詰まることも、何をやっていいのかわからなくなることもあるのだが、そのときは整理をするなど、方法を変えてみることも大事である。

第2章「熱意を抱き続ける」
物事を継続するためには「熱意」は大事になる。しかし人は感情に移ろいやすい生き物である。しかし熱意は信じることによって生まれ、続けることができる。著者も噺家になると決めた頃から熱意を持っていた。
余談であるが、著者は現在会社役員を勤めているが、小さい頃は噺家であり、上方落語の名人・六代目笑福亭松鶴の弟子だった。

第3章「その境遇は、あなたを変えるチャンスでは?」
仕事をしている、もしくは人生を歩んでいると思いも寄らぬ事が起こる。それは自分自身が予想していない、望んでいないこともあるのだが、望んでいないことになってしまうと、とたんに萎縮したり、嫌気を差したりする事があるのだが、そうではなく、今の状況を受け入れ、好きになっていくことによって、境遇を味方に付け、自分自身をプラスに変換していくことができる。

第4章「どんな場所でも人は幸福になれる」
人は誰しも「幸せ」になれる。しかし自分を「不幸」に思ってしまうのは、「心のブレーキ」があるのではないか、と言う風に著者は思っている。
自分自身に欠点があり、その欠点を否定し、なくそうとして、回り道をしてしまう。しかし欠点も紙一重で武器になる。欠点を受け入れて、長所を伸ばすことによって幸福をつかみ取ることができる。

第5章「結局、その場でがんばった者勝ち」
今の状況では頑張れない、という人をよく見る。しかし今の状況から脱するには、ひたすら前を向いてがんばることである。今の環境の中で日々ベストを尽くしていれば、その環境から脱することのできるきっかけを作ることができる。とにもかくにも頭を抱えて考えるよりも、行動を起こしながら考えることが大切である。

第6章「おかげさま。ありがとう」
日本語には「おかげさま」「ありがとう」と言う言葉が存在する。この言葉は他人に対して感謝の念を表すことであり、日本人が他人への「感謝」を重んじる事を象徴している言葉である。さらにはよい意味で「謙虚さ」を持っていることも日本人としての「良さ」があるのだという。

第7章「強運はがんばった人の証」
「幸運」はやってくる者ではなく、自分でつかみ取ることにある。誰にも知られていないところでひたすら頑張り、がんばった結果が幸運となって返ってくることになる。時にはげんかつぎしながらも、決断や行動をすることで、幸福をつかみ取ることが大切である。

本書を読み進めていくと、苦しんでいる状態は、もしかしたら自分自身を変えるチャンスになると言うことを気付かせてくれる。誰しも苦しい時期、辛い時期があるからでこそ、人は成長することができる。本書はそのことを気付かせてくれる一冊である。