Numbers Don’t Lie―世界のリアルは「数字」でつかめ!

世の中には色々な「数字」がある。もちろん人によっては数字が得意な人もいれば、苦手な人もいる。しかしその数字をいかに読み解くかによって、世の中の見え方も変わってくる。その見え方をいかにしてつかんでいくか、本書は森羅万象の「数字」を読み解きながら、世界の現実とこれからについて追っている。

第1章「世界の人々――暮らしはどう変化して、どこに向かうのか」

世界的な数字を取り上げているが、本章では主に「人」についてフォーカスを当てている。人口はもちろんのこと、出生率や死亡率。さらには一昨年あたりからずっと出てきている新型コロナウイルスの感染者数やワクチンの接種率など人そのものだけでなく、生活にまつわる「数字」が取り上げられている。

第2章「世界の国々――グローバル時代における力関係を読み解く」

「国力」と言ったものがあるのだが、主に人口はもちろんのこと、経済的な規模なども挙げられる。また、昨今ではロシアがウクライナに侵攻したとニュースにあるのだが、軍事力についても言及されている。

第3章「食――身体にも地球にもやさしい「食べ方」とは」

「食」に関しては特に環境問題において直結するものである。また第1章でも言及のあった新型コロナウイルスにおける輸出入の依存が露呈したところでもあり、食にまつわる生産・消費はどうなっているのか、また日本においても、どのような変化を生じていったのかも本章にて言及している。

第4章「環境――賢い選択をするために、知っておくべきこと」

環境問題においてよく言及されるのが「温室効果ガス」である。特にそれに関しての排出量取引といったものもある。他にも温室効果ガスと言うと「牛のゲップ」などがあるが、牛に代替する食物などもコオロギなど注目を集めている。そう考えると環境問題として人工物と動物、どちらがウェイトとして大きいのかの議論にもなっている。

第5章「エネルギー――燃料と電気をめぐる不都合な真実」

環境問題に絡む話としてエネルギーも避けられない。原子力発電は効率が良いものの、メルトダウンや放射性廃棄物などの重いリスクも伴っている。それを考えると、風力や太陽光と言ったクリーンエネルギーが良いかと言うと、普及も芳しくなく、発電した電気をどう蓄えるか、使うかといった所にも直面してくる。

第6章「移動――この200年での驚異の進化とこれからの課題」

技術革新に伴い、移動するスピードがドンドンと速くなった。走ったり、動物を使って移動することができるが、それでも限界がある。そこで自転車、自動車、航空機などの開発が行われ、音速を超えるほどの旅客機もあった(現在では退役しており存在しない)。本章ではその変遷を取り上げている。

第7章「機械――現代世界の基礎をつくった発明品とは」

今日では様々な機械がつくられ、実用化されている。私たちの生活の中でも、様々な「機械」を利用することにより、豊かな生活を送ることができている。その機械を作る前に様々な「発明」があったのだが、どのような発明の歴史を辿っていったのかを本章にて取り上げている。

世の中には「数字」が必ずといっても良いほど存在する。その中で数字が何を意味しているのか、前後関係を理解していく中で重要なものになってくるが、その背景を知ることができる格好の一冊である。本書にて出てくる数字でもって、どのようにこれからを考えるかの材料になる。