お江戸やすらぎ飯 芍薬役者

料理で人を救うと言う話は実話・フィクションを含めると数多くあるのだが、本書は江戸時代を舞台にしている。ちなみに本書はタイトルにある「お江戸やすらぎ飯」と銘打ったシリーズの第2弾であり、主人公の佐保の成長とそれに伴う「変化」を見せながら、料理を通して癒やすといった作品である。

ちなみに第2弾のサブタイトルには「芍薬役者」とあるが、「芍薬(しゃくやく)」は花の名前であり、初夏の頃に咲く花である。ちなみに花言葉には「恥じらい」や「慎ましさ」といったものがあり、慎ましくも美しい歌舞伎役者が本作の重要人物である。慎ましい佇まいであるのだが、とこかしらか気鬱な状況だった。その気鬱な状況から料理でもって解放していくと言うものである。

本来であれば食事によってある治療法というと「食餌療法」と呼ばれるものがある。ちなみにこちらは消化器系の異常や肥満に対して食事でもって治療をする方法で用いられるが、本書の場合はある意味文字違いであるが「食事療法」といった意味合いを込められている。しかも「治療」は「心」の面の治療を行っているような気がしてならなかった。

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