ここ最近、国内外の企業において「メタバース」に参入する動きが見られる。特に主要企業の多くはメタバースに対してビジネスチャンスがあると思われている。そもそも「メタバース」は、
ネットワーク上に構築される,三次元グラフィックの仮想空間。利用者はアバターを操作し,仮想空間に参加する。「大辞林 第四版」より
とあり、よくあるオンラインゲームをさらに拡大したものである。もっと言うとVR/ARもその一例としてあげられる。ではメタバースはこれからどうなっていくのか、そもそもメタバースの原点である「仮想現実」はどのような歴史を歩んでいったのかを取り上げているのが本書である。
第1章「フォートナイトの衝撃」
私自身ゲームを行った事がないので分からないが、「フォートナイト(Fortnite)」と呼ばれるゲームがある。2017年に初めてリリースしてから今年でちょうど5年を迎えるのだが、このフォートナイトはメタバースと大きく関わっていく。もっともオンラインゲームはフォートナイトの他にも数多く存在するのだが、フォートナイトに着目した理由と、メタバースとの兼ね合いについてを本章で取り上げている。
第2章「仮想現実の歴史」
メタバースに限らず「仮想現実」と呼ばれるものは数多くあり、なおかつそれを題材にした作品も多くある。アニメでは電脳コイルやソードアート・オンラインがある。またゲームにおいても「あつまれどうぶつの森」など有名になっているゲームもある。本章ではそれぞれの作品から仮想現実の歴史を紐解いている。
第3章「なぜ今メタバースなのか?」
インターネットは進化を続けている。その進化の中に掲示板やブログ、チャット、SNSといったものがあり、今度はメタバースと呼ばれる「仮想空間」が出てくる。しかしメタバースが出てくる以前にもオンラインゲームなどで仮想空間はあるのだが、「メタバース」として展開していくのかその要因を分析している。
第4章「GAFAMのメタバースへの取り組み」
世界的に台頭している企業としてGAFAがあるが、本章ではそこにマイクロソフトの「M」を加えて「GAFAM」としている。それぞれの企業においてメタバース事業に対してどのようなポジションに位置しているかを取り上げている。中には目指さない企業もあれば、積極的に介入する企業もあるという。
昨今ではこのメタバース事業に参入するかしないかの話題で持ちきりであるが、実際に私たちの生活のなかにかかわっていくだけに、どのような影響を及ぼしていくかも未知数である。もっともこれからの動向にも否が応でも注目される事柄と言えるため、前知識を持つ必要がある。そのための本書と言える。
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