松本隆のことばの力

松本隆は元々はっぴいえんどの元ドラマーであったことからミュージシャンであったが、1971年から作詞および音楽プロデュース活動を行い、これまで数多もの曲を作詞してきた。先の通り、昨年松本隆は作詞活動50周年の節目を迎え、トリビュートアルバムオフィシャルプロジェクトも次々と開催された。

この50年の中で日本の歌謡曲、後にJ-POPの根幹を支えてきたのは言うまでもない。本書は作詞活動50周年を記念し、作詞活動のきっかけとことばの力についてインタビューしたものを収録している。

第一章「はじめにことばありき」

著者の持っている「音楽」の起源とは一体どこにあるのだろうか、古事記や万葉集などの古典かをみつつ、著者自身が紡いできた作詞をもとに紹介している。

第二章「ことばの力」

「ことば」には色々な「力」を秘めている。自身が作詞家になったときのこと、ジャニーズのアーティストたちに書いた詞、そして筒美京平の出会いと、共に仕事を行った日々を綴っている。

第三章「詞の作り方」

松本隆が手がけた作詞はもはや数え切れない、というか数えているメディアもないほどである。数多もの作詞を手がけた松本隆はどのように作詞を行っているのか、そのルーティーンの一部を取り上げている。

第四章「『冬の旅』への旅」

松本隆は作詞ばかりに目が行きがちであるが、実は1992年にシューベルトの連絡歌曲集である「冬の旅」を現代口語訳を行った。その後にもいくつかのシューベルトの歌曲集を現代口語訳を行ったが、なぜ行ったのか。そのきっかけと現代口語訳を通じて得たものを取り上げている。

第五章「瑠璃色の地球」

1986年に松田聖子の歌でリリースされた同曲は後に多くのアーティストにカバーされ、合唱曲にもなった。さらに松田聖子自身も2020年にセルフカバーしている。瑠璃色の地球に込められた歌詞そして昨今の新型コロナウイルスについてを綴っている。

作詞活動が50年過ぎた今もなお精力的に活動を続けている松本隆はこれまでの活動については多くのメディアで語っている。本書のその一つとして挙げられるが、他のメディアで取り上げていない側面もいくつか存在しているため、他のインタビューと併せて見るのも一つの手である。

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