朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた 戦略的ビジネス文章術

文章の書き方はTPOによって大きく異なる。論文のように展開するものもあれば、新聞記事のように書くもの、さらにはレポートやビジネス文書のように書くものもあり、なおかつメールや手紙などもある。本書はあくまで「ビジネス文章」であるため、社内外のやりとりを行うことに関しての文章術を取り上げている。朝日新聞記者であるため、新聞記事作成の経験がベースとなっている。

第1部「仮見出し・二段論法」

第1章「「仮見出し」 思わず読みたくなる」

「文書」とは言っても議事録はもちろんのこと、企画書や日報・月報など多岐にわたる。本書ではあくまで「企画書」「レポート」にフォーカスを当てておいた方が良い。特に企画書に関しては中身もあるのだが、見出し(タイトル)で勝負するという。もっとも新聞記事にしてもタイトルによって人を惹きつけ、中身に入っていくかもあり、特にネットニュースやブログ記事についても同じような事が言える。

第2章「「リード文」 5秒で引き込む二段論法」

文書を作る際にある「リード文」はいわゆる概要的な部分である。見出しでインパクトを与えても概要のとこから、具体的な話がスタートするため、このリード文が読まれないと意味が無い。どのようなものかを紹介しつつ、どのように引き込ませるのかを伝授している。

第2部「文章マネジメント術」

第3章「「戦略」 結果を出す3A分析」

文章を作る際にも「戦略」がいる。わかりやすい文章も一つの戦略かもしれないが、それだけで無く、ある種「牛のよだれ」のような長文でも引き込んでしまうようなものもある。これは文章ばかりで無く「トーク」でも同じ事が言える。しかしトークと異なるのは文章は「見る」「読む」ものであるため、文章ならではの「戦略」がある。

第4章「「初稿」 すらすら書けるアルペン式」

良い文章は最初から生まれるわけでは無い。しかしその「初稿」と呼ばれるたたき台が無ければ、醸成することができない。しかしたたき台をつくるだけでも、時間がかかるというものだがそれをいかにしてすらすら書けるかを本章にて取り上げている。

第5章「「編集」 ざっくり、きっちり スッと読める書き直し」

本当の意味で「書く」という所の根幹に入ってくる。たたき台を修正して、事実などを見きわめていきながら理解できる文章にして行くか、また文章の意図をくみ取りやすくする、引き込みやすくするためにどのように「編集」を行ったら良いかを伝授している。

第6章「「校正・校閲」 信頼されるダブルチェック」

今度は他人に見せて、修正の部分である「校正」や事実検証の部分である「校閲」の2つの方法を取り上げいる。他人の視点を入れることによって、偏りがちになる文章をより良いものにして、さらに多角的な視点を入れることによって、より良い文章を生み出すことができるようになる。

ビジネス文書はブログやSNSとは違い、他人の目の他に、仕事における運命を変えるものになってくる。中には公的なものになってくるため、些細な間違いも命取りになり、なおかつ文章をつくっていかないと痛い目に遭う。

「正しい文章」に目が行きがちであるが、正しい文章にしつつも、相手にとって興味深く、なおかつ行動に移せるように「戦略的」に文章をつくることも必要になってくる。あくまで新聞記者としての文章術の部分もあるため、通用するかどうかは不明だが参考にある部分は多い。