叙述トリック短編集

本書の冒頭に

この短編種は『叙述トリック短編集』です。収録されている短編には全てトリックが使われておりますので、騙されぬよう慎重にお読みくださいませ。p.8より

と記載されている。しかも冒頭は「読者への挑戦状」と銘打っており、著者と読者との駆け引きといった魅力も持っている。

短編集のように見えて一編それぞれに、著者の織りなすトリックがどこにあるのかを、短編の物語の中に散りばめている。もっとも冒頭にも実はある「トリック」が隠されていたことにも気づいたのだが。

よく小説の中にも「叙述」と呼ばれるものはよく使われる。またミステリーをはじめとした推理物でも「トリック」を暴くと言った中で、読み進めていく中で「どこにトリックがあるのだろう?」と思考を張り巡らすこともある。小説であるものの、トリックはどこにあるのか短編でありながら、楽しめる一冊であった。

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