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本を守ろうとする猫の話

本書は日常のようでいて、実はファンタジーである。というのは古書店を閉店し、親族に引き取られそうになった時に、人間の言葉をしゃべる猫が現れた。そこから物語が始まる。古書店の本がたくさんあるが、その本に対して「ただの本」で終わらせるのか、それとも「本」に対してどう向き合い、救っていくか、そのことを描いた物語である。 私自身は仕事柄、本と向き合うことが多々ある。毎日のように書評を行っているためであるのだ […]

「本読み」の民俗誌―交叉する文字と語り

「本読み」と言うと、私のことじゃないかと思ってしまったが、本書は私のことではなく、あくまで書物における伝承について取り上げている。特に書物についてはどのようにして生まれて、どのように人々へ伝えられていったのかは国によっても異なる。本書は日本だが、特に東北における三陸地方における書物の伝承についてを取り上げている。 第一部「「本読み」の民俗」 東北地方の書物伝承の中で本章では宮城県気仙沼市をモデルに […]

雑品屋セイゴオ

「千夜千冊」というもので有名な松岡正剛氏は、そのサイトを閲覧したり、あるいは書籍化した際の著書を読んだりして、刺激を覚えたことは私自身が書評をし始めたことであり、懐かしいものである。松岡氏のルールとまでは行かないものの、4,000冊近くも書評してきた中での大きな「原点」の一つとして松岡正剛氏の「千夜千冊」があったと言っても過言ではない。 私事はここまでにしておき「編集工学」として名を馳せ、「千夜千 […]

サイエンス・ブック・トラベル―世界を見晴らす100冊

科学にまつわる本はゴマンとある。もっとも科学に関する面白さを知る本もあれば、難しさを知る本、さらには恐ろしさや謎の深さを知るような本など様々である。科学は日々刻々と進化をしていくのだが、その進化の道程にはどのような本が生まれ、伝えられていったのか、「ブック・トラベル」と題して、紹介しているのが本書である。 CHAPTERⅠ「宇宙を知り、世界を知る」 宇宙は時代の流れで様々な解明が成されてきたのだが […]

本屋さんのダイアナ

本はまさに様々な物語や考え方がある。その数は数多あり、あたかも「宇宙」とさえ思ってしまうほどである。もっとも書評家と名乗り始めて間もなく10年を迎えるのだが、未だに本とは何か、書評とは何かは未だに分からない。もっと言うと1000分の1にも満たない位しか理解できていないとしか言いようがない。 その本屋にて本と出会うことによって救われることがある。本書の主人公であるダイアナもその一人である。孤独や否定 […]

年末恒例ランキング2016

こんにちは。蔵前です。 今日は2016年最後の投稿です。年末と言うことでランキングを取り上げていきたいと思います。今回も昨年と同じく今年取り上げた365冊の中で特に印象に残った5冊を取り上げていきます。 第5位:ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育 ハーバード大学は「音楽」で人を育てる posted with ヨメレバ 菅野恵理子 アルテスパブ […]

本にだって雄と雌があります

私自身これまで数千冊の本を読んできたのだが、本に「雄」と「雌」があることは私も知らなかった。とはいっても本には本の「性格」や「種類」があり、相性もあり、なおかつ関連性もある。それが「雄」「雌」となっている部分もあるのかもしれない。 本書の舞台は現代における「旧家」と呼ばれる家の中の書斎である。その書斎には数多くの本が揃えられているのだが、禁忌があるという。それは「みだりに本棚の本の位置を変えてはい […]

年末恒例ランキング2015

こんにちは。蔵前です。 今日は2015年最後の投稿です。年末と言うことでランキングを取り上げていきたいと思いましたが、いつもであれば各カテゴリーごとに取り上げていきましたが、今回は「総合ランキング」のみとします。 その理由としては今年は出来ていませんでしたが、カテゴリーを含めて、ブログの大幅な変更を検討しており、今まで5種類だけだったものを細分化しようと考えていました。しかし仕事が重なり、なかなか […]

打たれ強くなるための読書術

私自身、1ヶ月に50冊以上の本を読む。実際にどのような読書術をやっているのかというと、速読であるが、色々な読書術に加えて独自のスパイスを加えている。それで色々な本を読み、それで書評を行っている。 私事はそこまでにしておき、本書は「打たれ強くなる」と銘打っている。本書表紙にも書いてあるとおり、「打たれ強い」というのは、「知的」な意味を言っている。どういうことなのかというと「正解のない世界」に耐える所 […]

本は死なない~Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」

私自身、読書をしたり、書評をしたりする仕事なので、ほんとは密接にかかわっているといっても過言ではない。そのため本書のように本の歴史と、電子書籍について、そして出版業界をはじめとした本の「これから」について知りたいと思って、本書を手に取った。本書は今となってはメジャーとなっているAmazonの電子書籍であるkindleの開発者が読書はどのようにして変わるのかを示している。なお、本書は全部で21もの章 […]