サイエンス・ブック・トラベル―世界を見晴らす100冊

科学にまつわる本はゴマンとある。もっとも科学に関する面白さを知る本もあれば、難しさを知る本、さらには恐ろしさや謎の深さを知るような本など様々である。科学は日々刻々と進化をしていくのだが、その進化の道程にはどのような本が生まれ、伝えられていったのか、「ブック・トラベル」と題して、紹介しているのが本書である。

CHAPTERⅠ「宇宙を知り、世界を知る」
宇宙は時代の流れで様々な解明が成されてきたのだが、まだ謎が多くある。もっともその「謎」に切り込みつつ、解明できているところ・できていないこと、そしてその「謎」から生まれる可能性などについて取り上げているのが本章とも言える。

CHAPTERⅡ「生命のふしぎ、心の謎」
生命は宇宙よりも解明できているとは言えど、まだ研究の余地がある部分も少なくない。特に生物の中でも、まだ生態に謎が残っているものもいれば、細かい所で解明できていない所もあり、その中には「ふしぎ」となるものも存在している。動物における行動はどのように解明されているのか最近出てきた本から名著に至るまでが網羅されている。

CHAPTERⅢ「未来を映す」
科学はどのように進化し、未来を描いていったのか、物理・医療・情報・生物・ロボットなど「科学」を題材にして様々な観点から見据えた本を一気に紹介している。

私自身「書評家」として様々な本を紹介しているのだが、それ以上の数の本を読んでいる。しかしその読書の考え方は大枠では全く変わっていない。それは読書をすることは「旅そのもの」であることである。場所や事象などありとあらゆる所を見て見聞を広めていく、終わりなき旅であるため、それをずっと続けていくと考えている。著者もまた「科学」を題材とした本の「旅」を行っており、その道程が色濃く映し出されていた。