本にだって雄と雌があります

私自身これまで数千冊の本を読んできたのだが、本に「雄」と「雌」があることは私も知らなかった。とはいっても本には本の「性格」や「種類」があり、相性もあり、なおかつ関連性もある。それが「雄」「雌」となっている部分もあるのかもしれない。

本書の舞台は現代における「旧家」と呼ばれる家の中の書斎である。その書斎には数多くの本が揃えられているのだが、禁忌があるという。それは「みだりに本棚の本の位置を変えてはいけない」というものである。少年が無意識に禁忌を破った時、本と本とのつながりが新しくなり、思いもよらなかった本が生まれるというストーリーである。

そういったストーリーを読んでみると、まさに自分自身が読み続けている本が「本脈」というように木の幹から枝葉になるように新しい一連の本になってくる感じがしてならない。本書は小説であるが、自分自身の読んでいる読書の可能性を広げることができるように思えた一冊である。

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