人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究

建築物は何とも言えない不思議な雰囲気を持つ。その雰囲気の中には人が集まるような楽しげなものもあるのだが、その要因とは一体どのようなものなのか、本書は様々な建築物を引き合いに出して取り上げる。

第1部「なぜ人は「遊環構造」に集まるのか」
遊環構造は遊びや楽しみを集めるための構造をとしてある。その面白さがいかにして人を集める要因となるのか、その要因として取り上げている。

第2部「あそびやすい空間の構造」
建築物の中には「あそび」をつくる部分があり、そこが楽しさを見出すことによって「あそびやすい」空間をつくることができるようになる。特にアミューズメント施設などはそれを重視しているのだが、本章ではアミューズメント施設でなく、むしろショッピングセンターや幼稚園と言ったところがある。

第3部「意欲を喚起する環境」
建物の状況、さらにはその中の空間によって意欲を覚えると言ったことが度々ある。そういったことを起こさせる建築物にはどのような共通点があるのか、そのことを取り上げている。

第4部「継承する環境デザイン」
「環境」にもデザインが必要であるのだが、その必要であるデザインとは一体何なのかを建築物とともに考察を行っている。

建築物と言ってもただ建てているだけではない。その建築物は何を意味しているのか、そして建築物は人々にどのような影響を与えるのか、それらを考えながら作られている。そのことを思わずにいられない一冊である。