パリンプセスト

本書のタイトルである「パリンプセスト」は本来、

「書かれていた元の文を消して,その上に別の文を書き写したもの。羊皮紙が不足した中世には古い羊皮紙写本が時々このように使われた」「大辞林 第三版」より)

とある。本書はそういった意味ではなく、不思議な街の名前を指している。しかしながら、その街の中にある産物には本来の「パリンプセスト」の意味なるものも存在するため、一概に「架空」の解釈とは言い難い。とはいえ本来の意味をなぞりながら、ファンタジーを描いていることから、タイトルの「パリンプセスト」のある「書き写し」といったものが、本書の物語の中にある「歴史の書き換え」にも通ずるものがある。

そう言う意味ではファンタジー小説でありながら、今まで出会ったことがなかった言葉の意味を面白おかしく知ることができる一冊である。

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