ワークライフ“アンバランス”の仕事力

先日、セミナーがあったのだが、セミナーを受講するに当たり本書を購入した。
本書の中身を読む前の印象としては、「仕事=人生」と書かれているところからすでに、ほかの仕事術といったビジネス書と違うと感じた。ただ「仕事好きになれ」といわれるのと同時に、「プライベートの時間を割いてまで仕事をしろ」というようなことさえ考えた。

本書は仕事にアツくなれ、仕事が人生そのものでもいいのではないかと奨励しているが、だからといって「過労になるまで仕事をしろ」とは決して言っていない。また周りが見えなくなるまで没頭しろとかも言っていない。「仕事にアツくなりながら」も「頭は冷静」でいることが「ワークライフ“アンバランス”」であるという。最近では「効率化」「残業ゼロ」というような本が乱舞している。それはそれでいいのだが果たして「仕事」とは何なのか、「仕事」は悪なのかという疑念さえ生じてしまう。本書は「効率化」とかという本を頭ごなしに批判せず、「仕事」をすることの良さを熱弁している。

PART1「“アンバランス”のススメ」
著者がこの“アンバランス”に目覚めたきっかけからはじまる。よく「ワークライフバランス」というのを耳にするがその違いとはいったい何なのか。「ワークライフバランス」とは仕事、プライベートなどを両立をすること。自分自身が仕事の主導権を握りその中でバランスを整えることを言っている。では本書で言う「ワークライフ“アンバランス”」とは「会社」が主導権である。会社目線で仕事をこなす。仕事ばかりやることだけではなく、「仕事にハマること」によって自分の人生をよくしていこうという発想である。

PART2「アドレナリン出っぱなしの「アンバランス働き術」3つのルール」
3つのルールはこうである。

1.「現場主義」
2.「目の前の仕事を完璧こなす」
3.「ハマる」

仕事上の知識や智恵(※)というのは現場の中で得られるものであり、その上で技術なりキャリアなりを身につけることが大事になる。その近道は目の前の仕事を完璧にこなす。ここではどのような仕事をもらい会社はどのようなことの望むのかというのを踏まえた上でこなしていく。働き続けるにはどうすればいいのか、「ハマる」ことにある。当然仕事の中には単純作業や汚い仕事と言ったことがたくさんある。私の考えであるが、その仕事の中でも覚えられることや会社のためになることがたくさんある。その仕事の中にもどうやったら要領よくできるのかというのを考えることができる。そうなると仕事はだんだん「ハマる」。

PART3「キツい仕事にハマる!」
キツい仕事というのは社会人1年目の私ではまだあまり体験していない。量的にキツい仕事であれば体験したことはある。体力的・精神的にキツい仕事はこれから体験する。「キツい仕事」は仕事が好きな人でない限りできるだけ避けたいという人が多い。ちなみに私はというと、むしろ勉強・経験になるのでやってみたいという好奇心が強いので快く引き受ける。ではこのハマるにはどうするか。

1.「目的・目標を見失わない」
2.「「命までは取られない」と考えること」
3.「シミュレーション」

目的や目標がなくなってしまうといくらキツくても無駄なものとなってしまう。
後半は失敗したとき、叱られたときどうしたらいいのか。失敗した時のリカバリーや叱られた時の対応の仕方と言ったところがここで書かれている。

PART4「もっと仕事が面白くなる!「超・アンバランス働き術」」
本章の副題には「さらに本気編」と書かれている。その「本気」をつけていくには人と仕事をすること、すなわち「人交力」が必要である。この部分はコミュニケーション力など人と交わることに関して必要な力のことをいう。

PART5「キャリアアップもアンバランスに!」
キャリアデザインと言った言葉をよく聞くが、著者はこのキャリアは「つくられるもの」だと考えている。仕事をする上で必要なことや実績というのはすべて現場でもって形成されていく。ちなみにこのキャリアというのは専門知識や経験と言ったことよりも「仕事の基礎力」というのがモノを言う。この「仕事の基礎力」というのは現場の経験、キツい体験と言ったところである。

本書の読んで思ったことはセミナーの記事とほぼ同じである。社会人1年目でまだ経験が乏しいからでこそ仕事をやる、現場における経験を積むと言った姿勢が大事である。私は経験が浅いからでこそ本書のような「アツく」働くことに尽くすことが最大のキャリアアップと言えるだろう。

(※)本来は「知恵」と書く。先日のセミナーで「智恵」と書かれていたため使ったが、「智恵」と書くのはあながち間違いではなく常用外として扱われている。ただ「智恵」と書かれていると何か深い意味があるように思える。辞典でも調べてみようか。

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