「プロフェッショナル」とはどういうことを意味しているのだろうか。そのことを考える所で「プロフェッショナル」という言葉の使われ方について少し挙げてみると、
・「プロフェッショナルの技術」
・「プロフェッショナル意識」
とある。いったんの休止期間はあったものの現在も放送されているNHK番組「プロフェッショナル 〜仕事の流儀〜」という番組で十代目柳家小三治がこう述べていたことを思い出す。
「はたからみるとね、凄いな、プロフェッショナルだな、と思う人もね、本人はそんなこと考えてないと思います。ただ、今やってることを必死にやってるだけなんですよ」
私はその言葉に共感を覚え、今でもこれが「プロフェッショナル」の意味に通じていると思う。
では本書はどうか、プロフェッショナルとして現場の最前線の人々を取り上げながら「プロフェッショナル」とは何か、「プロフェッショナル」としてどのような力を身につけたらよいのか、についてを取り上げている。
第1章「自問力」
自分なりに意見を持っていたり、自分でしかない力を得るためには常に「自問自答」を行っているという。
たとえば仕事の中で得た「気づき」を取り上げる。それだけでもたまれば大きな材料になるのだが、その「気づき」を次なる行動に昇華していくのかも重要となる。「自問自答」を行うためには「気づき」の他にも背景や状況など様々な材料が必要になる。そして「自問自答」を身につけることによって新たなスキルを身につけられたり、身につける必要性を見いだすことができるようになり、それが会社では身につけることのできない「ポータブルスキル」となる。
第2章「構想力」
次はアウトプットをしていく力というところに特化している。自ら得てきた情報を取捨選択しながら、ビジネスにまつわる問題を解決していくか、というのが問われる。「情報収集術」や「発送法」、「アウトプット術」など多岐にわたっている。
第3章「失敗力」
畑村洋太郎の専門とする学問に「失敗学」というのがある。これは数多くある事件や不祥事を失敗を系列化したマンダラを用いて失敗の構造を分析していくというものである。「いかにして失敗したのか」「何が要因なのか」というのが良くわかる。
「失敗」というと、常にネガティブなイメージがつきまとう。しかし業界のトップを走る人物は「失敗」についてどのような感覚でいるのだろうか。ズバリ失敗をする事によって新たな成功への糧にしていることにある。「トライ&エラー」を繰り返しながら日々突き進んでいる。
第4章「協創力」
当然のことであるがビジネスは一人では機能しない。かい社内のみならず、取引先や関係会社など会社外の人間tもコミットしていかないと成功には結びつかない。そのためには「協調性」だけではなく「ファシリテーション」や「プラットフォーム」といった言葉が重要視される。
第5章「愚直力」
最後は夢に向かって邁進する力と言った方が良いだろうか、それとも自ら決めたことを実行し続ける力なのだろうか。ともあれ決めたことを自分なりの解釈をせずに「愚直に」実行するというのが本章で言っていることだろう。本章では「夢」や「志」というのがあるが、ある言葉を思い出す。子供のように周りからの雑念を取り払いひたむきに、実行・行動し続けることが大事であるという。
言い忘れてしまったが本書は著者がパーソナリティーを務めているラジオ番組「Make IT 21」で取り上げられたものを選りすぐり、その中で感じた・考えた「プロフェッショナル」についてまとめている。その中で著者は大きく分けて「自問」「構想」「失敗」「協創」「愚直」にしている。プロフェッショナルとは著者に言わせると「自分で自分を意味づける力」だという。「自問」をする、構想を立て、るところからそのことが彷彿とさせられている気がした。
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