(株)オトバンク 上田様より献本御礼。
ブログ・Twitter・Facebookなどのソーシャルメディアを使っている私にとっては実感があるのだが、ソーシャルメディアには既存のメディアにはない可能性を示してくれる。一つは「双方向」であること、もう一つは「タイムリー」な情報を提供してくれたりしてくれることにある。それらを考えるとソーシャルメディアの恩恵は大きい。
しかし15年前まではこのことは夢物語にも出てこなかった。出てきたとしても門前払いを喰らうか、嘲笑の的にしかならなかった。
本書はこのようなソーシャルメディアがなぜ進化していったのか、企業はソーシャルメディアをどのように扱えばよいのか、そしてソーシャルメディアの「これから」についてを追っている。
第1章「見える人と見えない人」
企業コミュニティについて書かれているが、これまで「CM」や「広告」でもって不特定多数への販売促進を行っていた。しかし最近になってFacebookや企業コミュニティを利用して特定の人たちのピンポイント販売促進なども行い始めている。またソーシャルメディアでありながら広告と同じような不特定多数の広告をより安価に行うことも可能になった。
第2章「インターネット・クラシックへの旅」
「インターネットは戦争から生まれた」
ということをある本から見たことがある。本章では「戦争」は「戦争」でも「冷戦」から生まれたとされている。当時はまたコンピュータが一般的だった訳ではなく、研究機関などごく限定的な所でしか使われなかった。
しかし概念は年々と進化を続け、それが形となったのは1984年。ちょうど「マッキントッシュ」が誕生した時のことであった。
第3章「ソーシャルメディアの地図」
本章ではブログやmixi、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア、さらにはその中での機能などを細分化し、「現実生活」「価値観」「関係構築」「情報交換」の4つのマトリックスに表して、それぞれのソーシャルメディアのメリット・デメリットを取り上げられている。ソーシャルメディアを複数持っている人にとっては自分がどのような情報や関係を持つために、何を利用したらよいのかに役立つ章である。
第4章「企業コミュニティへの招待」
ソーシャルメディアの存在を企業は無視することのできないところまでやってきたと言っても過言ではない。最近ではTwitterにて公式アカウントを持ったり、Facebookではファンページが作られることを見るとそのことが窺える。
さて、その大きな要因には第1章でも述べたように特定のファンを持つことができるメリットがあるだけではなく、ユーザーの声を直に聞くことができる。さらに公式に派生して非公式なファンコミュニティも誕生することにより、草の根の如くファンを増やすことも可能である。
第5章「つながることが価値になる・前編」
リアルもバーチャルも限らず、「コミュニティ」としてもっとも重要な要素となるのが「つながり」である。本章と次章では企業コミュニティをいかにしてつながりを増やすことができるのかを前後半に分けて紹介している。
企業としては既存顧客の発言(口コミ?)が増えることにより閲覧者が増え、それが新たな顧客となり、活性化につながるのだという。それを行っている企業の実例をこちらも2章に分かれて紹介している。
第6章「つながることが価値になる・前編」
企業がソーシャルメディアを行うにあたり、マーケティングなどの戦略も大切になる。やたらと不特定多数に向けての宣伝ばかりを行っても顧客は寄りついていく可能性は低い。言葉にしても、ターゲットにしても誰に見てもらいたいのか、あるいは売りたいのかを明確にする必要がある。
Facebookのユーザー数は約6億人と言われており、もはや一つのコミュニティというよりも「国」と呼んでもおかしくないほどである。Twitterもまた然りであり、もしかしたらソーシャルメディアがそれだけの力を持っているとも言える。企業もそれに乗らないわけにはいかないのだが、それ以上にインターネットやウェブの進化は我々の想像を遙かに凌駕するほどの進化を見せている。数年後ソーシャルメディアはどのように進化をしていくのだろうか、それもまた楽しみと言えよう。
コメント