キャラクターというと、マンガやアニメに出てくるものを連想してしまう。そもそも「キャラクター」を辞書で調べてみると、
1 性格。人格。その人の持ち味。「特異な―の持ち主」
2 小説・劇・映画などの登場人物。goo辞書より一部抜粋
とある。
本書でもその考えに漏れずアニメやマンガにおけるキャラクター像の歴史とビジネス展開についての考察を行っている。
第1章「キャラクタービジネスの近代史」
キャラクターはマンガやアニメのみならず「人形」や「玩具」などでも扱われる。最近ではトレーディングカードゲームでも扱われている。
元々アニメやマンガ、あるいはビデオゲームから生まれた者から「メディアミックス」と称して様々な分野で派生して作られることが多くなっているが、その先駆として取り上げられたのが「鉄腕アトム」や「鉄人28号」である。
第2章「キャラクタービジネスという問題」
キャラクタービジネスは90年代頃から海外に向けても展開していった。その甲斐あってか「ジャパニメーション」と称して日本のアニメやマンガが長きにわたってブームを起こした。しかしそれに伴い「海賊版」や「逆輸入」などのビジネスも出てきており、そのキャラクタービジネスにも陰りを見せていた。本書では取り上げられていないが、コラム・オピニオン誌である「ニューズ・ウィーク」でも表紙に「息切れ クール・ジャパン」で取り上げられるほど、「クール・ジャパン」ですら陰りを見せ始めている。
第3章「キャラクターの起源と構造」
そもそも「キャラクター」とは何かをその言葉の起源とともに、現在ある「キャラクター論」そのものの考察を行っている。
第4章「日本型キャラクタービジネス」
キャラクターそのもののビジネス展開の中で日本独特なものでは古くは「同人誌」があり、最近では「初音ミク」を中心とした「ボーカロイド(ボカロ)」が取り上げられる。しかしこの事象についてアメリカの憲法学者は、同人誌やボカロに関して著作権の問題があるにも関わらず規制されることなく市場として確立されていることに驚きを覚えているという。
著作権における規制はコンテンツの進化とともに強化しているが、「二次創作」は規制されておらず、その二次創作がまた新たなキャラクターやコンテンツが誕生している源となり、
今日のキャラクタービジネス成長の一助となっている。
キャラクタービジネスは陰りは見えているとはいえ進化を続けている。「クール・ジャパン」と呼ばれているだけあり、このビジネスは日本を代表するビジネスの一つとして取り上げられるだろう。そして「キャラクター」も進化しながら変容していくのだろう。
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