決断-会社辞めるか辞めないか

社会人の人生を歩んでいくときに、キャリアパスにおいて「決断」を迫られる時が必ず来る。かつて終身雇用制が当たり前のようにあった時代には、出世のところでの決断だけで良かったのだが、昨今では定年までずっと同じ会社でいることはほとんどないと思っても良い時代である。その中で転職や独立、さらにはそのまま会社に居続けるか、といった決断に迫られることは、いつどこで来るのか分からないような時代である。

本書では4人の方々がそれぞれの道を決断していった理由を取り上げ、これからのキャリアはどのように変化していくのかを決める判断材料を残している。

決断1「「転職する」という決断」
元々「日経ビジネス」や「FRIDAY」といった雑誌の記者をやっていた方が、出版社を渡り歩き、現在ではスマートニュースの所長へと転職を行ってきたという。もっとも本章で取り上げている方は長らくメディアの、特に雑誌やオンラインメディアで活躍を行い、スマートニュースに転職したのは50代。50代の転職となるとかなり難しい印象を持ってしまうのだが、その転職を決断した要因とはいったいどこにあるのかを明かしている。

決断2「「独立する」という決断」
会社を離れて独立をするとなると、当然勇気がいる。そこには「安定」と言う文字とはかけ離れ、なおかつ明日の食い扶持でさえも保障されないような所で戦っていくしかないからである。本章にて取り上げられている方は長らく新聞社にて新聞記者、編集委員などの要職に就いていたのだが、51歳の時にジャーナリストおよびノンフィンクション作家として独立を行った方である。
もっとも新聞や雑誌の記者が長らく勤め、その取材のノウハウや人脈をもって独立してジャーナリストに転身する方々も少なくない。そういった方々は収入基盤というよりも、メディアとしての情報ソースが潤沢にあり、それを出版社に売り込むことにより会社員ほどではないが、ある程度の収入を得ることができる。本章の方も収入自体は会社員時代とはほとんど変わらないのだという。

決断3「「別の道に進む」という決断」
基軸がありながらも様々なキャリアを積むと行った方も少なくない。本章で取り上げる方は雑誌記者から、書籍の編集者といった経歴を進み、そして今度は工業大学にてメディア論の教鞭を取るといった、見るからに「異色」の経歴を辿っている。そこにはキャリアに対する「意識」が多彩なキャリアを彩っているという。

決断4「「辞めない」という決断」
長らく同じ会社に居続けているのだが、そもそもは異動に納得いかず、転職を考えていたという。その方はあえて同じ会社にいることを選んだのだが、その選んだ先にはどのようなキャリアパスを踏み出したのかを取り上げている。

長い社会人人生の中で決断に迫られるようなことは幾度となくある。私自身もそういったことに直面をして決めなければならない時に即決して決まったものもあれば、決めるにも大いに悩んだことさえもあった。ただ一つ言えることは「自分で決めるのだから、決めたことに後悔をしないこと」である。たとえ違うところに移っても、独立しても、同じ所にとどまったとしても、定められた場所にて活躍をする、そのことにより、社会人としてのキャリアは栄えてくる。