著者の横田様より献本御礼。
ビジネススキルは進化している。しかしそのスキルは時がたつにつれて必要がなくなり、廃れていってしまう。ビジネススキルも当然必要であるが、そのスキルを自らの形に進化をしていく必要があるのだが、ビジネスの舞台はそれで通用するほど甘くはない。
愚直に知ったスキルを実践するだけではなく、スキルの「本質」をつかみ、ビジネスの環境に合わせた進化・アレンジをしていくことによって根幹のスキルとして為すことができる。
本書は著者が自ら改善士として自ら気づき、実践し、醸成させた67もの「本質」を伝授している。
第1章「一・四倍で時間を見積もる」
時間管理術であるが、実際に適切な時間に見積もって実行しても、思わぬ仕事や横槍が入るといった「外的要因」、さらにはモチベーションの低下や思った以上に片づけるのが難しいことによる「内的要因」によりうまく行かないことが多い。
その「うまくいかない」ことを想定して「バッファ(余白)」としてリスクイベントなど様々な可能性を計算した上で「1.4倍」を見ている。
そのため本書はこの「1.4倍」がカギとなる。
第2章「時間と感情のロスを減らす」
時間のロスと言われる作業は減らすことはよく言われる。しかし本章のユニークなところは「感情のロス」を減らすことにある。それはメールや口頭など、「伝える言葉」によって相手の受ける感情に流され、それが時間のロスの引き金となる。
第3章「チームをマネジメントする」
チームのマネジメントは色々な本で見かけるが、本章での「マネジメント」は少し異なる。仕事の役割を見つける、あるいは会議にたいしての価値を「見える化」する、チームとして個人の立ち位置はどこにいれば良いのかを本章にて示している。
第4章「感性でリスクを察知する」
リスクを分析する材料として、よく「データ」が挙げられるが、そうではなく自分の中にある「未知の領域」、つまり「無知」であるところに思わぬ「リスク」が生まれそれを知ることによって「察知」する事ができる。
第5章「組織のムダを改革する」
組織としての「ムダ」を改革するために、前著でよく使われた「何のため、誰のため」が使われる。予算の組み方からコスト削減、情報の取捨などを「何のため、誰のため」を用いて改革を行うのが本章である。
第6章「個人の能力を最大化する」
自らの能力を高めるために、ネット・リアルの世界の両方を利用する。しかし偏りがちになってしまうが、棚卸しをする、もしくは役割を見出すことによって能力を最大かする事ができる。
第7章「時代の潮流をつかむ」
時代の潮流をつかみ、それにあわせて自分の価値を高める。価値のなかでも「時代に合わせて」つかむものもあれば、「いつまでも変わらない」独自の価値をとがあり、その両輪を磨く心構えを本章にて示している。
第8章「未来のつくり方を考える」
未来を描く上で、長期計画を立てる、未来を見る、そして「今しかできないこと」「今だからでこそできること」に集中することの大切さを本章にて説いている。
スキルを求め、得ようとする風潮はこれからもますます強くなっていくことだろう。しかしそれを本当の意味で身につけられるのがごくわずかであり、かつそれがビジネスで役立つとは限らない。しかし微力でありながらもスキルを身につけるだけではなく、そのスキルで本質をつかみ、未来を描くことで、自分、ひいては組織のイノベーションにつなげられる。本書はそうなるような要素が67個の技術として紹介されている。
コメント
取り上げて頂き、ありがとうございました。
>横田尚哉さん。
お久しぶりです。
こちらこそ、実践要素が満載の一冊でした。
ありがとうございます。