ギロチンハウス―課長 榊江梨子の逆襲

タイトルからして物騒なものである。処刑台かと思いきやある会社の「閑職」と言われる所であり、なおかつ「追い出し部屋」と呼ばれるところであるという。通称「リストラ小屋」と呼ばれており、リストラを待つのみとしている人びとが配属されるところであるという。

本書はそこに配属された3人が、逆襲をするという物語である。そう考えると社会派小説のように思えるのだが、その中である「事件」が起こる。その事件の真相を紐解いていくと、今いる会社の「闇」が浮かび上がってくるのだという。その「闇」は今の企業社会に潜むものであるとしており、その「風刺」にあたるような気がしてならなかった。しかしながらミステリーでありながら、その「闇」を鋭く切り込むところにはミステリーらしからぬ「痛快さ」があったことも事実である。

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