結果を出すために行動をするとよく言われるが、その行動をする前に「計画」を立てるため、その行動前どのような結果を望むのかを立てる必要がある。著者が世界上位の結果を出すビジネスマンと仕事をしたときに痛感をしたのだという。
本書は「行動する前」の「計画」としての「目標設定」の重要性と立て方についてを伝授している。
第1章「デキる人を「ベンチマーク」してスキルを盗む」
「ベンチマーク」というのは簡単にいえば「水準」を見つけることを言っている。自分の身の回りのなかで「デキる人」を見つけてひたすら真似ること、それを複数に増やしていくことで行動前からの結果を広げていく。
第2章「行動する前に“失敗リスク”を下げて成功へ導く「プロトタイプ」」
「プロトタイプ」は直訳すると「試作(品)」のことを指している。行動する前にどのような行動をする「シミュレーション」を立てて、その完成イメージ・失敗イメージを描くことによってフィードバックを行い、完成イメージを作り換えていくことによって失敗へのリスクを減らし、行動のイメージがつきやすくなる。
第3章「改善から“革新”へと意識を変える「ストレッチゴール」」
「ストレッチゴール」は簡単に言うと、今ある目標・改善から、全く新しくする「革新」に変えるような目標に変える方法について伝授している。
第4章「「コミットメント」で“初速”を上げて一気にやりきる」
行動をする前に目標を立てるが、その目標をTwitterやFacebook、ブログ、あるいは口頭などで「公言」をする、つまり「コミットメント」をする事について、その重要性と方法について伝授を行っている。その「コミットメント」は行動を起こす前に重要なことである。その大きな理由は「のっぴきならない」事態を作るからである。
第5章「インパクトで相手を“その気”にさせる「プレゼンテーション」」
プレゼンの位置づけとそのための資料づくりは日本と欧米諸国で大きく異なる。日本では資料の文字情報重視、一方欧米諸国では図表などのビジュアル重視である。
とはいえどプレゼンの第一印象やつかみ、共感などを持たせられるような方法を伝授している。
第6章「“ダラダラ会議”から脱却させる「ファシリテーション」」
私の仕事でもよく「会議」が行われるがその会議のための準備から成果物を出すことができるのかで会議の内容・密度も大きく変わってくる。会議を行うための準備、さらには会議中に気をつけるべきこと、そしてその会議のゴールを持つことで会議は充実したものになる。
第7章「指示待ち人間を“自ら考えるプロ”に育てる「リーダーシップ」」
リーダーの下にいる人たちにどのように「考える」環境に持たせるのか、目標設定からアプローチに至るまでの方法を伝授している。
「行動」することの重要性を説いたビジネス書はあるのだが、「その前」の目標設定の重要性を説いた本はない。行動することは確かに重要であるが、どのような成果を得るのかを立て、そこから行動に落とし込んでいくことこそ的外れな結果を得てしまわず、正しい結果を得ることができる。本書はそれを示した一冊である。
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