本書は日本・世界・宇宙など様々な所で取り上げられる「数字」をもとに森羅万象を見て行く一冊である。単純に数字を羅列しているのではなく、むしろその数字は何を意味しているのかも解説している。そのため、本書の著者にある「使える数字」を表していると言っても過言ではない。
1.「この国のかたち」
本書は目次を見てからじっくり中身を読むとなかなかおもしろいようにできている。というのは現在の人口や国土、さらには政府・財政・紙幣・首相などのことと「数字」を羅列しているが、それだけではなかなかわからないように作られている。しかもその数字は意外な視点で割り出されたり、取り上げられたりしている。
2.「世相のうらおもて」
「世相」というといろいろあるが、本章では年収・雇用・貯蓄・食費・ギャンブルといった「経済」の面が多いように思える。ほかにも犯罪といった社会面もあるのだが、ニュースも「経済」に関するものが多いことを鑑みているのかもしれない。
3.「揺りかごから墓場まで」
簡単に言えば福祉・医療・生活といったものが中心である。寿命であれば容易に想像できるが、それ以外は見るからに「以外」と言える数字ばかりである。
4.「世界のスケール」
日本からちょっと離れて世界的な諸々について数字を表しているのが本章である。「世界」と一括りにしても色々あるが、言語や宗教、SNSなど世界的な統計がとれるものから、物価や飢餓、難民などまで取り上げられている。
5.「生命・地球・宇宙」
だんだん広くなっていく。今度は人間という枠を越えて生物、地球、そして宇宙へと広がっていく。しかし本章では電子や臓器や脳といった「生物」の観点からの数字が多く取り上げられている印象が強い。
6.「われわれはどこから来たのか、われわれはどこへ行くのか」
スケールは際限無く広がっていき、今度は宇宙誕生から終焉までの数字について取り上げられている。歴史と言えば歴史であるが、それにしても広さは尋常ではない。
最初にも書いたが本書は目次から見て、中身を見ることを強くお勧めする。目次からどのような数字が取り上げられているかを見て、疑問に思いながら進んでいくと、その数字のカラクリに目から鱗となる。そのように楽しむのが本書と言えよう。
コメント