約13億人もの国民が住んでいる中国。最近その中国の最高指導者が「胡錦濤」から「習近平」に変わった。「中国共産党」の一党独裁主義が長らく続いているが、技術の進化は中国当局による統制が行われても取り入れられている。そしてそれが「民主化」への一縷の希望として国民はもてはやされ、中国当局は戦々恐々としている。とりわけ「インターネット」の進化はそれを促すほどであるのだという。そのインターネットユーザーの事を中国では「網民(マオミン)」と言い、ブログやTwitter、Facebookを使い、中国の現状と希望を叫ぶ。
本書はその「網民」たちの声と中国当局との戦い、そしてそれを日本やアメリカなどの海外ではどのように報じたのかを見ている。
第一章「中国の言論空間とインターネット」
言論統制をされているとはいえ、中国では5億人もの「網民」がいる。そのブログや掲示板をつかって書き込み、世論を作り出す、いわゆる「ネット世論」や「ネット論壇」もできている現状がある。
第二章「中国社会を知るためのネットキーワード」
「中国の常識は世界の非常識」
中国でもインターネットは使われてきているのだが、それがどのような発言を行い、対立が起こり、ユーモアがあり、それでいて政府とのインターネット上での「闘争」も起こっている。
第三章「ネットで中国はどう変わる?」
インターネットが中国でも成長してきたように、既存の中国観とは異なる考えを持つ。私たち日本人は中国の情報についてのソースは、大方「人民日報」だった。しかしネットの世界ではそれに反した情報も行き交っている。
「日本」と「中国」
互いの国は現在、尖閣諸島を発端とした対立が起こっている。しかし両国の事情は、程度はあれど同じようなものであり、かつわかりあえていない部分もある。本書は知られざる中国のインターネット事情を知るとともに、両国がわかり合えていないところも見出すことができる。
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