60歳、生きかた下手でもいいじゃない

実をいうと郷里にいる私の母が還暦を迎えた。もうじき父も還暦を迎えるのだが、その還暦を迎えたらどうなるのか、それは両親の考えの中にあるとしか言いようがないのかもしれない。ちなみに私はその還暦の半分の齢であるが、これから30年後に還暦を迎えたらどう生きたら良いのか、正直言ってまだわからないし、もし還暦を迎えたとしても「実感がない」というような感じになる。

そこで本書である。著者はすでに還暦を迎えたノンフィクション作家であるが、その還暦を迎えた際にどのようなことを思ったのか、エッセイにしている。

Ⅰ.「暮らしまわりはおおらかに」
著者の暮らしまわりはエッセイを見る限り質素なものであるのだが、決して吝嗇にならず、節制して、なおかつ倹約しつつシンプルに生きているような印象がある。実際住まいに関してもシンプルを求める傾向がある印象で、私自身もシンプルな生き方を考えているのだが、その参考材料となるようなところである。

Ⅱ.「生きかた下手でもいいじゃない」
本書のタイトル「生きかた下手」は何とも、かつて日野原重明氏が上梓した「生きかた上手」の対をなすような存在というイメージがあった。もちろん生き方に上手・下手はあるかというとあるように見えるのだが、実際にその基準は誰が決めるかというと、本人なのかもしれない。しかしその生きかた下手でも、十分に人生を楽しめる方法がいくつもある。本章では生きかた下手と呼ばれていても、楽しめる方法をいくつか取り上げている。

生きかたは人それぞれである。特に人生の老境に差し掛かった60歳になった時、自分の生き方の終着点をどうするのか、そして自分らしい人生をどのように謳歌するのか、それを考える基準となる一冊である。

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