スマートマシン 機械が考える時代

近頃は「スマートフォン(スマホ)」の台頭によりスマートとつくような技術は数多く存在している。もちろん本書で取り上げる「スマートマシン」の中には「スマートフォン」も含まれているのだが、他にも「ドローン」もまた「スマートマシン」の中に含まれる。そのスマートマシンはどのようなものかというと本書のサブタイトルにあるように「考える」機械を表している。そのスマートマシンによってどのような変化を起こすのか、そのことについて取り上げている。

第1章「スマートマシン革命の幕開け」
スマートマシンはある意味「人工知能(AI)」に似ているのだが、人工知能よりもさらに高度化したものが「スマートマシン」と言える。そのスマートマシンが誕生したのが19世紀に入ってからのことである。そこから技術革新を経て、スマートマシンにたどり着いたのであるという。

第2章「人間と競争・共創する「学習するマシン」」
「学習するマシン」はスマートマシンの一つであるのだが、それが顕著になって現れたのが「アルファ碁」である。「アルファ碁」は昨年、韓国の「イ・セドル」九段と戦って4勝1敗と勝ち越したのだが、その勝利した内容のほとんどが限りなく完勝に近い内容であり、なおかつ人間では考えられないような手が数多くあった。そして何よりも学習能力があったことにより、より効率的に考えるようになったためである。もちろん将棋の電王戦でもそういった活躍があったことが本章にて挙げられている。

第3章「次の産業革命の担い手となるロボットビジネス」
こうしたスマートマシンの誕生と成長によってロボットビジネスの市場が成長する可能性が高く、なおかつ様々なビジネスにて役立てられる可能性が非常に高くになる。その高くなる可能性について取り上げているのが本章である。

第4章「ドローンがもたらす「空の産業革命」」
ドローンに関する話は「ドローンの世紀」「空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?」で取り上げたのでほとんどは割愛するのだが、ドローンが出てきたことにおいて「産業革命」に匹敵するほどの動きがあるのではないかと著者は踏んでいる。

第5章「自動走行車がもたらす社会イノベーション」
自動車でも最近は、スマートマシンにて「自動」で動く、文字通りの「自動」車が生まれ、話題となっている。そういった車を「自動走行車」と呼ぶこともあるのだが、この自動走行車が市場に出回る、そして道路事情はどのようにして改善されるのかについての展望を明かしている。

第6章「人間の機械化による身体機能の拡張」
「人間の機械化」とはいったい何なのかというと最近ではウェアラブル端末が巷で出回ってきており、機械的に身長や体重、さらには疲労度まで測ることができるようになったことにあるという。しかしそれは本当に人間に効果があるのかといった疑問も持つのだが、その疑問などについて本章では答えている。

スマートマシンの誕生と成長によって、私たちの生活にもスマートマシンが使われてき始めている。そのスマートマシンは日常生活を支えてくれる存在になるのか、あるいは私たちの仕事を脅かす存在となるのかは定かではないが、いずれにしてもスマートマシンによる技術革新と市場の成長は必ずと言ってもいいほど恩恵はあると言えることを知ることとなった一冊と言える。