ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市

私自身ショッピングモールに行くことは年に数回くらいしかない。その数回は年末年始に故郷の旭川に帰った時にしかない。しかしショッピングモールに行くといろいろな店があり、好みの商品を時間かけて選び、決めるといったプロセスがたまらなく好きである。買い物巡りをしたい人にとってはある意味オアシスなのかもしれないのだが、そもそもショッピングモールには未来都市の姿が映し出されているという。その姿とは何かを取り上げている。

第1章「なぜショッピングモールなのか?」
ショッピングモールといえば難しい漢字でいうと「複合商業施設」であり、小売店が数多く立ち並んでいる。しかも数多くのジャンルの店が立ち並んでいるだけでなく、海外の要素もあれば、ローカルの要素もあり、その地方の「都市」の姿を一つのモールにて映し出している。

第2章「内と外が逆転した新たなユートピア」
元々「内」は商売といった要素が強く、「外」は開けた環境の中で非日常のような空間を味わうことができる部分がある。しかしながらショッピングモールはそれを逆にて感じることのできる要素がある。もっともショッピングモール内では様々なイベントが行われ、またショッピングモールによってはアミューズメント施設もある。そのことから「非日常」と呼ばれる空間が「内」にできるようになった。

第3章「バックヤード・テーマパーク・未来都市」
「バックヤード」は簡単に言えば「見えない所」「後方」といった意味があるのだが、店でいえば倉庫や廃棄場といった目に見えないような裏側を表している。そのショッピングモールの「バックヤード」にはどのようなものがあるのか、そしてショッピングモールはテーマパーク、さらには未来都市の姿について取り上げている。

ショッピングモールはデパートやショッピングセンターとは違った魅力がある。買い物だけではない「非日常」と呼ばれる空間を提供してくれると言ったものがあるのだが、そもそも「社会学的に」ショッピングモールとはどのような存在なのかを考える必要がある。もっとも地方の商店が失われる存在として扱われる「経済」の観点ではよく紐解かれているのだが、本書のように「社会」にフォーカスを当てた一冊は珍しい。

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