ルポ 老人地獄

数年前の話になるのだが映画「老獄-OLD PRISON-」で話題となったのだが、その作品の主演がプロレスラーのアジャ・コングだったこともあるが、それ以上に老人介護の現実をありのままに映し出すことで話題となった。その「老獄」のリアルをルポルタージュで描いているのが本書なのかもしれない。

第1章「下層化する老人たち」
下層化していることでよく話題となるのは、どちらかと言うと若者であるのだが、その若者だけでなく老人もまた下層化の一途をたどっているのだが、その要因として介護現場や下宿などの現状を取り上げている。

第2章「カネなし家なし人手なし 八方ふさがりの老人介護」
介護業界は疲弊の一途をたどっているだけでなく、業界全体にもかかわることだが慢性的な「人手不足」が起こっている。その人手不足の原因とともに、介護現場ではどのような状況が起こっているのかも併せて取り挙げている。

第3章「老人ビジネスに群がる社会福祉法人」
そういった状況だからでこそビジネスが生まれるのだが、そのビジネスの中では様々な出来事が起こる。もっともWin-Winの関係であれば何の問題もないのだが、自分たちの懐だけを設けようとする輩のような人・企業も中にはいることも否めない。

第4章「医療・年金制度は崩壊している。」
既に分かっている事実であるのだが、年金や医療の現場は崩壊をしている。これは少子高齢化、国債の増大など様々な要因があるのだが、そもそも崩壊しているからでこそ「変化」がどうしても必要であるのだが、それを忌避、あるいは現状維持をしようと画策している人も少なくない。

第5章「老後の沙汰はカネ次第、でいいのか」
「老後のために」ということで貯金をする人も少なくないのだが、そもそも老後には金が要るのかと言うと、その通りである一方で、自分自身で稼ぐこともまた一つの手段であるのだが、それでもなお老人地獄が完全に解決するわけではない。

老人の地獄は今もなお続いている。また解決の一途が見えていないのが現状にある。その現状をありのままの姿を映し出しているのが本書と言える。